Circus of Happiness×大江洋服店のまず2種類のサックコート(コットンジャケット)について。
ふと、CIRCLEのブログにはどれくらい画像があるのだろう?と疑問に思いました。
見てみると、これまでの保存枚数で2万4千枚あって、その内の10%とは言わないけれども5%くらいはアップしたものの記事には使わなかった画像も入っているはずだから、だいたい2万2千〜3千枚くらいが記事に使われているようで。
今日の記事でブログの件数は900件(URLでは904になっているけれども、4つはお蔵入りの記事だから)。
単純に平均すると1記事あたり24枚〜25枚くらいのようでした。だからなんだって話なのだけれど、正直「もっと多いよな」という実感だったので変な感じ。
画像が少ないお知らせ系の記事も1件になるからだろうなと思いつつ、よくよく考えれば25枚だって少なくはないよと感じた今日。
さて本日は!
やっと!やっと出来上がった嬉しいもの。
大江洋服店さんにお願いして作ってもらった、Circus of Happinessダブルネームのサックコート。
まず2種類の生地で仕上がりました。これはもう、素敵すぎる子達です。
昨年のパンツ、今春のベストに引き続き、同じ素材感をもって作れたら面白いな、と思っていた。
もうちょっと早く仕上がる予定だったのだけれど、いかんせん店主サイドも大江さんサイドもしていた想像以上に手間がかかることが動き出してから実感し、秋のちょうど始まりになってしまいました。
でもその分、もう今すぐ活躍できるジャケットとして並ぶので、個人的にはそれはそれで良いなと思っています。
ブラックヘリンボーンとグレードリルのサックコート。コットンジャケットになるわけですが、なかなかどうしてこれが素晴らしいです。
ちなみに、今日は画像がめっちゃくちゃ多くて120枚くらいあるので、サクサク画像を愉しむ感じで読んでいただけたら、と。
でも、細かいところで結構いろいろ頑張っているので、時間があれば秋の夜長ということでじっくりご覧いただければ嬉しい。
ブラックヘリンボーンもグレードリルも、パンツとベストですでに店主はヘビロテしているので、この素材の面白さはもう更にしっかりお伝えできる。
ジャケットを作ろう、となったのはもう昨年春のこと。その時から様々話は動いては変わって、という変遷はもちろんあるのだけれど、非常に満足できる仕上がりになったのが嬉しい。
パンツやベストとセットアップみたいになるのも良いし、そうではなくてジャケット単品として純粋に使いまわしやすく、クラシックなのだけれど今の空気も反映させたかった。
そして何より、「がっつり着込んで、生地がカッスカスになるくらい着てもらって、それでむしろ味があるねと思える」ような雰囲気になれば良いなと思っていた。
最終的に生地は3種類で作ることになり、まずはこの2種類が出来上がった。
もう1種類はちょっと特殊である意味違う感じになって(おおまかには一緒だけれど)、また来週かその先くらいに出来上がれば良いなと思う。
ブラックヘリンボーンのコットンのハリ感、そしてマットな質感ながら艶やかな趣もある高級感。
このサックコートになるともう、ひたすらにかっこいい。問答無用によかった。
そしてグレードリルは独特な紫がかったグレーの色合いがやはり素晴らしくて、テロっと柔らかくなる具合もとても着心地が良い。
グレーのジャケットは数あれど、この色合いと質感はなかなかないだろうね、と嬉しくなっています。
Circus of Happiness×大江洋服店 ブラックヘリンボーン サックコート ¥37,000+税
全体の形は、肩がキュッと締まっていてそこからゆるやかにAラインを感じさせるふわっとしたフォルム。これがもう、個人的には最高に好きなのです。
身頃には適度にゆとりあり、中に厚手のシャツやニット、ベストなんかを着ても綺麗にシュっと上に羽織れる。
腕周りは太めで動きやすく、なおかつクラシックな雰囲気が出てくれる。
味わい深いジャケット、まさにそんな風になってくれた。
コットンジャケットにしては、安くはないと思っています。
しかしながら素材を吟味して、なおかつ大江さんの旦那さんが考え抜いてパターン取り、裁断をしてくれて、そして奥さんが100年近く前のヴィンテージミシンを駆使して一着ずつを縫い上げて行ってくれた。
その時間のかかり方はちょっと普通じゃなくて、当初は1日1.5〜2枚くらいのペースで出来るんじゃないか、なんて話していたけれどもとんでもない。
1日かかって1枚縫い上がるか……という感じ。裁断から仕上げまで(ワンウォッシュ・手揉み・スチーム)入れると、1日に1枚すら出来上がらないような感じになった。
もちろん大江さんへの仕事代は何も減らしてもらうこともなく、でも出来るだけ高くならないようにしたいからCIRCLEとしてはもはやオリジナルで製作をする意味はないくらいの利益率にしました。
それでやっとこの価格なので、まぁもうそこは風合いの良さや1枚ずつ仕上げるロマンを感じていただくほかないや、と。
シンプルです。シンプルだけれどそこはかとなくクラシックな趣があって、渋い。
その渋さが欲しくて、大江さんに頼み込んだ。
下に合わせるのはデニムでもチノパンでも、軍パンでも良い。
あるいはスラックス的に綺麗なのを合わせても面白いかもしれません。
シャツを羽織ってじゃあ上着を着ようとなった時に「なんとなく手を伸ばして着たくなる」空気の良さがあると思っています。
ブラックヘリンボーンはとっても密でぎゅっと織られたハリのあるヘリンボーン。
これがもう始めとワンウォッシュ直後はびっくりするくらいバリッバリに硬い。
でも揉み込んで、なおかつ着込んで行くことで柔らかさが生まれ、独特なコシのある柔らかさに変わる。
硫化染めのブラックは着込んで行くと適度に掠れて行って、奥行きのあるブラックに育っていく。
良い顔なんですよ、実に。
パッカリングが出たり、アタリが出てきてクラシックな雰囲気にさらに拍車がかかる。
襟元はコンパクトに小さめ。
これが上品なニュアンスを醸し出してくれて、ラフでカジュアルな中に大人の空気がしっかり出る。
ヘリンボーンの柄は実はそこまで強調されない。
近づいてよく見ると綺麗なヘリンボーンが見えてくる感覚。
そのさりげなさも素敵。
ラペルにはやはりホールがあいていて…
当然逆側にはボタンも配置。
つまりこんな風にブルゾン的に着ていただくのも素敵ということで。
このスタイルがまた、かっこいいんですよね。
そして襟裏のこのステッチワーク。
ここまで頑張らなくても、というくらいに細かく。
たまらない見栄え。
肩はキュッと適度にタイト。
でも全体的にゆとりをもたせているので、肩はキュッと入るのだけれどきつくなく、動きやすい。
ボディはゆるやかにAラインを描くので、ふっくらした質感でゆとりあります。
でもズドン!と太い感じではなくて、あくまでもふわりと滑らかに。
秋冬シーズンの厚手のシャツやニット、ベストを着てもきちんと羽織れる感覚。
もちろん、中が薄くてもふっくらとした雰囲気が綺麗に愉しめる。
前は三つボタン。この前部分の描く緩やかな弧も美しいのです。
ボタンは水牛角ボタンのモカブラウン色。
ブラックではなく明るい部分や優しい茶色が入る風合い。
ブラックの方がコスト的には良いのだけれども、ここは譲れない。
ちなみにベストのように脱色をしていないのは、ジャケットで脱色ボタンだと大きさの兼ね合いもあって目立ちすぎてしまうから。
左胸には緩やかなカーブのポケット。
中は生成りとグレーのヘリンボーンストライプのコットン生地で。
右身頃にはまず小さいフラップポケット。
腰にはもちろん大きめのフラップポケットも。
当然、逆側にもフラップポケット。
こちらも中は生成りとグレーの生地。
チラっと見た時の明るさが心地よい。
そしてこの裾まわりの良さ。
前裾のカーブは大きめにふわぁっと外に開くようなニュアンス。
動きやすいのはもちろんだけれども、このカーブの見た目の良さがすごい。
着丈はクラシックなサックコート的にしっかりあります。
ロングというほどではないけれども、現代的な短いジャケットに比べると長めです。
そしてこのパッカリングの具合の出る裾がたまらない。
ここはもっと着込んで行くことで、なお表情が素敵になっていくはずです。
アームホールは大きすぎず、でも動きやすい太さはしっかり。
そして腕そのものは今時なジャケットと比べると、太いです。
しっかりゆとりあるのもそうですが、クラシックなふっくらした感じが綺麗に出る太さ。
そして袖先。袖先も比較的太めです。
ボタンは二つ、ここは一回り小さな水牛ボタン。
本切羽な感じでボタンは外せます。
開けて、袖を少し折り返して着るのもアリ。
前を開けて、中を見ていきましょう。
基本的にはブラックヘリンボーンの一枚生地のジャケットになります。
秋にはヘビーアウターとして、冬には上にコート羽織ってインナージャケットとして。
もちろん春にも活躍します。
ブラックヘリンボーンのハリ感は気持ちいい。
着込んで行くのが楽しみになる心地よさ。
かなり手間のかかる作り方をしていただいてます、はい。
背中の部分にはポケット同じく生成りとグレーのヘリンボーン生地。
右胸裏にはうちポケットを一つ。
ここにCircus of Happinessのネームと…
大江洋服店のネームが並びます。
さらにチラリと覗く、ユニオンチケット。
ポケット中には大江洋服店さんのサインの入ったタグと……
さらに品質表示。
ネームやタグ系は全部ここに集約されてます。
今回のサックコートはサイズ0・1・2・3の4サイズ展開です。
ブラックヘリンボーンは各サイズで1枚ずつ作れました。ベストを作ったあとの生地分で作ったので。
サイズ0は少しゆとりあるXS、1は同じく少しゆとりあるS、2は同様のM、3が同様のLと思っていただければと思います。
ちなみに、左側は逆にシンプルでポケットも何もありません。
そしてチラっと見えていたこのあたり、このポケットをはじめとした内部の作りがもう、大変だった。
基本的にポケットや裏生地は全てパイピングを施す。
どのポケットも、全て。
全部を4辺ひたすらパイピング。
そしてまた、ポケットや背中部分のこの生成りとグレーのヘリンボーン生地は、内側から見えるこちらが実はおもて面。
ポケットを覗いて見える柄が裏面になってます。
ジャケットってふと脱いだりした時に、その中というか裏が結構見える。
そんな時にもちょっと独特で綺麗だったら良いな!とそうしています。
まだポケットはあるからパイピング。
そして背中上部分のここももちろんパイピング処理で。
本体部分も縫って割って開いている部分は両サイド共にパイピング。
生地が継がれる部分ほぼほぼがパイピング。
もうなんというか「このジャケットはパイピング作業でできている」と言っても過言ではない。
裾周りもこんな風にパイピング。
もうここまでくるとぶっちゃけて、裏地を貼った方が手間かからず楽だし、むしろ安く出来るという。
あらゆる部分にパイピングが。ヘリンボーンテープをたんまり使っている。
腕の中ももちろんそうなのだけれども。
このパイピングテープというかリボンというか、ヘリンボーンの生地なのですが。
1巻きで30mあるんです、30m。センチじゃないです、メートル。
そんなにあるのに、1巻きで作れるジャケットはなんともはやたったの2枚。
つまるところ、1着作るのに端数はちょっとあれども約15mを使うという。
ある意味で贅沢すぎる作りですし、その分パイピングしつづける手間と時間がすごい。
でもそれが面白いと思ったので、出来上がってきて嬉しかった。
ちなみに、この中に使っている生地はこれだけで普通は小物作ったり、薄いカバーオールにしても良いんだと思う。
実際、裏生地に使うにはアレなくらいで、セルビッジ(耳)つきデニムと同じくらい高かったという。
でも脱いだ時に雰囲気良い布にしたかったから、良いんですこれで。
そして後ろ姿のこの佇まい。
もっともっと着込んで行くと、もっともっと素敵になることうけあい。
フォルムが綺麗です。後ろから見てもシックでさまになる。
そしてパッカリング的なシワや凹凸、陰影が美しく愉しめる。
製品は全て今回はワンウォッシュ(水洗い天日干し)して、そのあとに軽く揉んで、スチームをかけて仕上げています。
なので基本的には大きな縮みはここから出ませんが、洗いを繰り返すとコットンの目のつまりなどでわずかに縮んだりするくらい。
ヘリンボーンの風合いがとにかく良い。
この生地は縫い上げるのは大変だけど(はじめ硬すぎて)、出来上がると非常に雰囲気が良い。
もう古着か!というくらいに着込んでもらうと理想的ですね。
Circus of Happiness×大江洋服店 グレードリル サックコート ¥37,000+税
そしてもう一つのグレードリル素材。
基本的な作りやフォルム、ディテールはもちろん一緒です。生地違いバージョン。
このわずかに紫がかったようなグレードリルは、本当にあらゆる色と相性がよくて、穏やかで素敵なグレー。
ブラックヘリンボーンに対してこちらは、洗いをかけるとクタンと柔らかい質感になります。
その柔らかさがまた着心地よく、さっと楽にいつでもどこでも羽織れます。
こちらもパンツ、ベストともちろんセットアップ的にもなりますし、そうでなくて単品でも単純に使いやすい。
このグレーもボトムは選ばず、かなり広い範囲であわせていただけると思います。
デニムはもちろん、ブラックパンツも良いし、軍パンもいけます。
ちょっと色のあるパンツなどでもバランスよく合わせられてしまうはず。
軽やかにさっと羽織って気持ちよく、それでいて一年を通して便利に活躍するジャケットに。
グレードリルは色合いがやはり面白い。
ブラックに比べると爽やかな印象の顔。これもまた、雰囲気良い。
ラペルはもちろん小さめに。
柔らかくても、適度なパッカリングは出る。
そしてホールはもちろん。
ボタンも当然です。
そしてこの感じ!
グレーはまたこのブルゾン的に着るのが一層似合う気がしています。
そしてよりはっきりわかる、この襟裏のステッチワーク。頑張ってくれすぎなぐらい頑張ってる。
肩のラインや基本のフォルムは同様です。
ボディはふっくら感ある感じで、適度なゆとり。
3つボタンは一番したは普段は外して着るのがバランス良い。
上二つはどちらも留めても良いですし、真ん中だけにしても良い。
ボタンは水牛なので一つ一つムラあります。それもまた楽しみ。
左胸にはカーブしてポケット。
右腰に小さなポケット。
もちろんその下に大きなポケット。
逆側にもあるよ、と。
中の生地はブラックもグレーも一緒です。
この裾まわりのラインはいくら見ても飽きないくらい綺麗。
そして優しいパッカリングが上品に。
アームホールはしっかり下を着ていても通しやすいと思います。
腕の太さはきちりと太い。
袖先も適度にボリュームあります。
ボタンはもちろん外せます。
そで丈は長すぎず短すぎずくらい。
中を見ると、こちらももちろん基本は一枚生地。
内側はまた質感が違って見えるのが面白い。
軽やかな質感。
ポケットやネームは同じく右中に。
左はやっぱりフリー。
はじまりました、パイピングの森。
グレーにグレーのパイピングテープにしています。
もうね……
これでもか!これでもか!というくらいに……
そりゃあパイピングの嵐。
もう、パイピングされてない部分探した方が早いんじゃない?というくらい……
ひたすらに時間をかけてパイピング。
こんな大変な作りだけれども、一枚一枚しっかり作ってくれる大江さんに感謝。
地道に縫い進んで、仕上げてくれました。
特にこのボディに走る割りの部分のパイピングが個人的に好き。
脇の部分ももちろん。
腕の中も当然。
ありとあらゆるパイピングラッシュ。
グレーも同じです、30mを1巻きでジャケット2つ分にしかなりません、恐ろしい。
後ろ姿はこちらも渋いですねぇ。
パッカリングのシワ感があまりにも美しい。
背中が語る、雰囲気の良さ。
裾まわりはより凹凸や陰影がしっかり出ます。
より着込んでなじませていけば、なお生地は魅力的に。
育っていくのが楽しみです。
ちなみに、もっと小さくしたいなと言う時には乾燥機にかければ若干縮むとは思いますが、そのあたりはどうぞお好みに合わせて。
良い裾だ。
あ、ちなみにグレードリルはサイズ0・1・2と一枚ずつ作れました。
そのうち、サイズ0はすでに旅立ちが決まっているので、サイズ1と2のみとなります。ご了承くださいね。
と、こんな具合でブラックヘリンボーンとグレードリルバージョン、揃いました。
あと1種類、スイス軍ヴィンテージグレーヘリンボーンのバージョンがありますが、それはまた出来上がったら。
こちらの子達よりもヴィンテージ生地な分微妙に違う部分があったり、あとは価格が明確に異なります。(当たり前だけれどヴィンテージだと生地が高すぎるので同じに出来ない)
そちらに先駆けて、ブラックとグレードリル並びました。
手にしてすぐ、ガンガン愉しんでいただけるサックコート、コットンジャケットです。
ぜひ、お楽しみいただけたら幸いです。
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