新しく展開を始める、mukai nichikaの布花による美しい世界について。
アメリカ大統領選の結果が出て、きっとこれから各所もろもろで良いこともあれば悪いこともあれば、様々な影響はあるのかもしれません。
CIRCLEのように小さなお店からしてみれば、ものすごく直接的なことが何かあるわけではないけれど、ある程度直接的なことは怒るかもしれない。
いずれにしたところで、世の中は常に変わりゆくものだから、その中で良い愉しみを見つけたり、生み出したり、あるいは共有しあったりしていければ、それで何よりと思ったりします。
トップの交代うんぬんでここまで世界を大騒ぎに出来るのを見ていると、やっぱりなんだかんだでアメリカは世界の中心に今はいるんだよね、と感じてしまうこの頃です。
さて、本日は満を持して。
今年も終わりに近い11月。
本日からCIRCLEに新しい仲間が加わり、新しく美しい世界を生み出してくれる、「mukai nichika」についてのご案内です。
CIRCLEはもともと「何のお店なの?」と大概の方に思われるくらい、いろいろなことやものを展開しています。小さな中に、いろいろな要素を詰め込んでいる。
良いか悪いかというのはもちろん見てくださるお客様が判断くださるところなわけですけれど、こうしていることで店主としては伝えたいことや広げたいことを、少しずつでも表現をしているつもりでいます。
そこに加わる、また新しい世界。
一目見たその時から「これは、CIRCLEにあるべきではないか」と感じて、そのまま突っ走って話をして、ようやく形にできました。
mukai nichikaというブランドは、まぁ響きから察しやすいと思いますが、向井さんという女性が製作をしている造花ブランドであり、アーティスト。
布花、という言い方が一般的にはわかりやすいのかもしれないけれど、布を用いて花の造形を美しく生み出す。
「なぜまたそんな全く違うジャンルの!」という感じはあると思います。でも、向井さんの生み出す美しさが、あまりにも素敵できっと良い愉しみを作っていけると感じた。
正直、店主はテルコ雑貨店の活動の兼ね合いなどもあって、こういったいわゆる「布花」を作っていらっしゃる方と会うことも多いし、様々な作品を見てきました。小さく小さく個人の趣味でやってらっしゃる方から、そこそこビジネス的にやってらっしゃる方も、加えてむしろ布花を教える側の先生的な立場の方のも。
そのみなさんのを見て「うん、きれいだねぇ」と思うことはあっても、「これをCIRCLEとして欲しい、愉しみたい」と思うことははっきり言ってそこはもう過度な盛りもなく、全くありませんでした。
でも、今年の春にそれが変わった。
今年の春にmukai nichikaの布花を、とある美術館で見ました。美術館といっても展示作品ということではなくて、いわゆるその企画展に沿って行われるミュージアムショップの一部で。
そこにわっと飾られていた花たちは、作品的なものにせよ、アクセサリー的なものにせよ、どれもが美しさで溢れていました。
造形、色合い、空気感、それぞれ素敵だったのももちろんだけれど、なんというかこう、「記憶の中にある美しさ」みたいなのを、取り出して作ってくれたようなイメージだった。
リアルじゃないけれどリアルで、本物の美しさを目指すけれど本物とは違う美しさが確かに備わっていて。
それはどこか、CIRCLEでディスプレイとして置かせていただいている、斎藤徳幸さんの竹で作った昆虫と通ずる何かがあった。
何がどうキレイなのと言葉にするのはとても難しいことだと思っています。
機能性や素材やいろいろを謳うことはできても、美しさに関してはそうそうできない。
でも誤解を恐れずに言うなれば、「mukai nichika」の生み出す花は、生きているエネルギーが感じられる布花であると思っています。
多くの布花や造花を作られる方は、なぜかわからないけれど、褪せた色合いだった儚い脆さだったりを直接的に表現します。それはそれでもちろん一つの方法なのだとは思うけれど、個人的に言えば少しそれは寂しい。
mukai nichikaの花たちは、まずその前に「美しさ」と「力強さ」がある。それはいわば、造花うんぬんというよりも生きている花から感じるような、ある種の空気というかエネルギー。それが色から来るのか形から来るのか素材から来るのか、それは店主もわからない。
その美しさや力強さやエネルギーの先に、ふと感じられる「繊細さ」と「優雅さ」。
さらにその先にきっとそうなんだと空気として見せてくれる「儚さ」や「脆さ」。
布花も時の流れとともに、色が移り変わり、素材も変化をし、そのままではない。そこまで含めた総合的な愉しみを、「mukai nichika」の花からは感じられた。
だから、CIRCLEではどうしても展開をしてみたかったのです。
まぁ店主の暑苦しいそういう想いや感情はそろそろ置いておいて、と。
作品として愉しめるものや、日常的にアクセサリーとして愉しめるものを、と向井さんとお話しをさせていただき、いろいろを製作していただいた。
春にお話しして、夏に細かいことを詰めて、秋の最中に出来た。
向井さんは神奈川県の真鶴に今年アトリエ(というか住んでる)を移して、活動をしています。
元々はアクセサリーというよりも結婚式などのさいにつける、大きなヘッドセットなどを布花で作る、というのをメインにしながら作品を作っていらっしゃいます。今でもそれは大きなこととして当然続けていらして、その塩梅を見ながらCIRCLEも小物をお願いしていたのです。
(mukai nichikaオンラインより抜粋)
こんな風に和服に合わせていらしたり。
(mukai nichikaオンラインより抜粋)
ドレスでももちろん、という。なるべく顔が写ってないのを選んで抜粋させてもらったけれど、サイトにはもっと色々写真もアップされていて、すごく素敵なので、どうぞそちらもご覧くださいね。
そうした動きの中で大きな花の作品なども作り、さらに身につけられるアクセサリーとして小物を、という流れ。
ウェディングなどの時は白いものが基本だけれど、mukai nichikaの花の色のほとんどは、いわゆる草木染めや天然の染料での染色。送ってくれた写真では、明らかにこれ煮出してますものね。
素材はシルクのタフタを使い、それらを自ら手で染め上げ、染めるさいには様々な金属媒染なども行って色の違いや変化もつけていく。
よくある草木染めの淡い色合いだけではなく、媒染をうまいこと駆使することで、発色を豊かにしたり、複雑なグラデーション感も作る。
天然染料での染めの難しさや大変さは、店主も前の職場の時にかなり苦労をしたからよく分かる……本当に。
シルクをベースに色を染め上げると、本当に美しい。
複雑な表情のある色が多く生まれて、これがmukai nichikaとしての色の美しさにつながる。
化学染料が悪いというわけではなくて、そこは染料ごとの得手不得手の関係。
化学染料はむしろパキっとしたしっかり明るい色やはっきりした色を出しやすい。でも、今回お願いしたそれぞれは全て天然染料での染めで作ってくれた。
シルクタフタを染めて、そこから一つ一つの花びらをイメージしては切り出し、熱のコテをあてながら造形していく。
何も形のないところから、立体を作っていく。それで生み出される花の集まりが、あまりにも美しいのですよ。
染色から行うというのは手間もかかるし時間もかかるやり方で、効率がいい製作とはとても言えない部分も多いけれど、CIRCLEはなかなかどうして、そういう人のものづくりが好きなんでしょうね。
ずらっと展開をさせていただきます。
始めは幾つかだけ店頭に出して、あとはストックしながら〜とか思っていたのだけれど、どれも蓋をあけるたびに素敵で、店頭で結局はまずは全部見てもらおう、ということにした。
ここのオブジェ内のスペースは、こんな風に美しい世界にしたかった。
mukai nichika 大箱・コサージュ ¥30,000+税
大きめなそのまま飾っても美しい作品も作ってもらっています。
箱のサイズは30センチの20センチ。
中の花は大きなコサージュになっていて、外してもちろんつけることも出来る。
詳しくはまた、明後日からそれぞれでご案内していきます。
今日はまず、全体の美しさをざっと感じてもらうということで。
mukai nichika コサージュ ¥15,000+税
半分くらいのサイズ感の、製作アクセサリーのメイン的な風格のある、小サイズコサージュ。
一つのコサージュの中に、幾つかの植物のモチーフを入れ込む。
それはつまり、完全な自然そのままのリアルではなくなるわけだけれど、でもそれがむしろ美しさとしてのリアルを感じるから不思議で、たぶんそれは細かな表情の作り方と全体の構成のバランスがうまいのだと思っている。
色合い様々に組み合わせも含め、幾つか作っていただいて。
その雰囲気はどれも違うのだけれど、共通しているのは抜群の美しさ。
特に染色が綺麗に出来たものを選んで作ってくれた。
華やかなだけでない儚さは、ただ「儚いですよ〜」と出すのではなくて、あくまで感じさせる雰囲気が良い。
このコサージュたちは横が15cmほどで縦は9cmくらい。
しっかりと存在感のある子たちです。
mukai nichika ミニコサージュ ¥8,500+税
さらに、もっと小さくてちょこんとバランスのとりやすいミニコサージュもお願いした。
ウェディングじゃないけれど、きっとピュアな白感も良いですよ、とアクセサリーとしては初めて作ったというホワイトバージョンもお願いしたりして、相変わらずCIRCLEはわがままに作り手さんとはやりとりさせてもらって。
これ、すっごく好きです。
と言いつつ、どれも見ているだけで心地よくなる感覚。
ミニコサージュは横が8cmくらい、縦が6cmくらいです。
細かくはまた、後日のそれぞれの時に。
可愛いだけじゃなくて、綺麗だけでもなくて、かっこよさもある。
だから全体では「美しい」と感じるのかもしれない。
mukai nichika リュウゼツラン・コサージュ ¥9,500+税
基本的にはコサージュというかブローチというか、そういう具合で身につけていただく。
でももちろん、帽子につけてもバッグにつけても良いだろうし、秋冬ですから贅沢だけどストールを留めたって良いわけです。
このリュウゼツランをモチーフとしてもらったタイプは、これまではなかったタイプを特別に。
小さな花がぐわっと合わさってる感じが素敵ですよね、と打ち合わせで愉しくなったタイプ。
もう少し大きい予定だったけれど、向井さんがつけた時のバランスを考えて、とほどよく小さめに変えてくれた。
花部分が横7cm、縦5.5cmくらい。
そこから茎がシュっとある感じです。
細かいんですよね、本当に。
こういう仕事は本当に、時給換算したくない世界になってきます。でも、使ってもらえるものにしたいという想い。
美しいものが身近にある幸せや愉しみを、CIRCLEとしては届けていきたい。
それがあることで寂しくなったりするのではなく、「今日も素敵だ!」とエネルギーを感じる美しさを。
mukai nichikaの布花には、それがしっかり備わっている。
mukai nichika イヤーカフ ¥6,500+税
コサージュだけというわけではなくて、イヤーカフも用意してもらいました。
これも、試験的に作っていたものを「それ、どうしても作って欲しいです」とわがままたっぷりでお願いしたアクセサリー。
耳にかけてぶら下がる感じで布花がきます。
グラデーションや色の組み合わせを色々と楽しんで欲しい。
一つ一つの細かな感じはまた別でご案内しますが、どれもが素敵な色出し。
白の世界観も、良いんです。
作品であり、製品であり。やはり身につけるアートというべきか。
こういう言い方が良いかはわからないけれど、ハンドメイドで作っている味わいも欲しいけれど、「余計に手作り感がありすぎない」ものが好きです。
mukai nichikaのアクセサリーはきちんとそのバランスを考えてくれている。
だから、並んでいて飾っていて美しい。
こうしてきちんと話が進んで、CIRCLEに並んだことを嬉しく思う。
美術館で見たときも驚いたけれど、その後に銀座の和光のディスプレイになっていたときも、さすがに驚いた。
いつかCIRCLEでもでっかい作品もアートとしてお願いしてみたいと感じている。
今日は、駆け足でのご案内。
まずはmukai nichikaとしての布花の世界観で埋め尽くしたかった。
それぞれのコサージュ、イヤーカフなどの詳細は金曜日よりしっかりと。
もちろん店頭だけでなく、すべて画像を整えていってオンラインでもご覧いただけるようにします。
身につけるアートであることといい、そういう意味ではKUONとの近しい空気はあるけれど。
もちろん、mukai nichikaの花たちもすべて1点ものです。箱の中にはタグとともに、すべてに製品ナンバーも割り振られています。
同じ色は二度とでない。同じ形は二度と生まれない。
mukai nichikaの美しい花の世界がCIRCLEに加わりました。
どうぞ、宜しくお願い致します。
CIRCLE
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