<< KUON(クオン)の襤褸裂き織り・5パネルキャップについて。 | main | Workers(ワーカーズ)の60/40クロス・マウンテンパーカーについて。 >>
2016.09.18 Sunday

KUON(クオン)の襤褸バックパック(リュック)について。

0

     

     今日はなんとなく、「これ、書きたいなー」とどうしてもふつふつと盛り上がってしまったので、二つ目のブログです。

     

     1日に二つはちょっとヘビーなのだけれど、良い具合に書けそうな感じがしたので、えいや!と。

     

     KUONさんからの秋冬入荷のうち、裂き織りキャップに続いて小物がもう一つあります。

     

     それがこの襤褸(ぼろ)をうまいこと加工を重ねることで実現させた、バックパック。いわゆるまぁ、リュックです。

     

     これが、なかなかどうして面白い。そしてかっこいい。

     

     まずKUONさんしかやらないだろうな、という独特かつ素敵なバックパック。ご案内いたします。

     

     

     春夏のシーズンではKUONさんは襤褸とストリートの融合の一つとして、メッセンジャーバッグを仕立てました。

     

     そういう感覚の昔と今をつなぐ感じは面白く、この秋冬でもまた良いバッグを。

     

     襤褸で出来上がったリュック、これはもうたまらない存在感です。

     

     

     リュックの全体にふんだんに襤褸を用いて、味わいのある表情に。

     

     通常のストリート、あるいはアウトドアのスタイルには見られない、奥深さを備えたものに仕上がっています。

     

     でも、それこそ80年やそこらの昔の襤褸を、そのままリュックにするのでは、到底強度的にもたない。だから普通は作らない、と思うのですけれど。

     

     

     でもKUONさんはその強度の面を、襤褸に現代的な技術でさらに1層PVC加工を裏面に施すことで、実現させた。

     

     PVC加工を生地にかけるのはさして珍しいことではないけれど(某ヴィトンのモノグラムとかダミエだって生地にシボPVCですし、某ゴヤールだってそうですし、もろもろバッグや小物ではあります)、こと襤褸にPVCとなると別。

     

     なんせ、大きさも厚みも、さらには素材感だって一定ではない、しかも古い生地。

     

     そこに安定してPVC加工をざっとかけてなんて、単にすごくやりづらい。加工をする工場側はなかなか嫌だったでしょうし、結構様々当たってようやく受けてくれたようで。

     

     でもそのPVC加工があれば、表面の襤褸の風合いはしっかり感じながらも、強度は高くなおかつ水にも強くできる。リュックにはとても良い素材に変わってくれています。

     

     

     KUON(クオン) 襤褸バックパック(リュック) ¥55,000+税

     

     もちろんこのバックパックも、1点ものとしてのつくり。

     

     襤褸の色合いや風合い、そして補修や配置など一つ一つ考えて作ってくれています。

     

     襤褸独特の味わいを、全体で感じられるリュックです。

     

     

     ボディの様々なところで襤褸は切り替わり、藍の深いところもあれば、青さが強いところもある。

     

     そしてもちろん、近い色のところでも継ぎが入ったりも。

     

     

     補修されてきた跡もあれば、生地のスレが良い味にもなっていたりもする。

     

     

     貴重な良い襤褸ではあるけれど、それをしっかりと素材として考えながら、上手に形作る。

     

     襤褸をそのまんま襤褸っぽく、もっさりとした感じでウェアやモノにしたりするところはあるけれど、KUONはそこをもっとデザイン的に昇華させながら作ってくれるのが良いと思っている。

     

     

     一見するとシンプルな青色に見える襤褸でも、近づいてみると繊維の表情が面白かったり、昔ならではの織りムラなんかも見えたりする。

     

     そういうものは、今新しく表現しようとしてもなかなかできないこと。もちろん、近いところまでは分析していけるし、そこまで作ってさらに時間をかけて使い込めば似たような感じにはなるけれど、「時間をかけて生地を使い込む」というのが、一番時間かかって大変なことで。

     

     襤褸はいわばその一番時間がかかって大変なことを、時の流れの中でリアルに過ごしてきた素材。

     

     

     細かな色や風合いの違いをパーツから感じてもらって、それでいて綺麗にまとまった全体の存在感を味わってもらいたい。

     

     

     使っていくうちにきっと、また風合いや色合いは少しずつ変わっていく。

     

     それも豊かな愉しみの一つ、ですよね。

     

     

     このリュック、すごく良いです。ただ単純にかっこいい。

     

     やっぱりこれもCIRCLEぽいやつ、と言ってKUONさんは選んでくれていて、最終的にいくつも候補を後から見せてもらったのだけれど、「あ、選んでくれてたやつでいいです、はい」と素直に合致していたのがすごかった(笑)。

     

     また違うものは違う風合いの面白さはあると思っているのだけど、でもこの一つはやっぱり雰囲気良かったのですよね、CIRCLE好みという意味で。

     

     

     リュックとしての大きさは十分で、しっかりとした容量があります。

     

     いわゆるアウトドアブランドの街向け用のリュックといったぐらいのサイズ感はあって、まぁ少なくとも1泊2日はできる。

     

     高さは41cmほど、幅も31cmはあります。そしてマチもしっかりしていて、外寸で底部分で20センチ近くあるので、しっかりがっしり使ってもらえます。

     

     でももちろん荷物が少ない時には、PVC加工をしているとはいっても柔らかい襤褸ですから、ほどよくクシュっとなってくれるので、無駄に大きい感じにはなりません。

     

     

     もちろん背面もしっかり作っていて、こちらはさすがにナイロンを使います。

     

     背中で擦れる部分でもありますから、ナイロンの方が安心です、ここは。

     

     

     背中のナイロン部分の中には、緩衝材というかマットがしっかり入ってます。

     

     これがあると背中が楽ですよね。

     

     

     背中のほぼ全面がそうで、さらにはもちろんショルダーパッド部分もしっかりとした太さがあって良い。

     

     

     しかも、ショルダーパッドのこの表部分、ここもPVCの加工されているのですが、実は襤褸を使っています。

     

     襤褸の裏面にPVCをかけて、それを裏返してPVCの面を表に出しています。

     

     なのでツルっとしているのだけど、よくみると普通の生地じゃない色合いと見栄えがわかるはず。

     

     あれです、贅沢な使い方です。

     

     

     ショルダーの裏面はメッシュにしてありますので、夏場でもしっかり快適。

     

     

     中にはウレタンパッドががっしり入ってますので、肩の負担もきちりと軽減してくれます。

     

     ふっくら。

     

     

     そしてもちろん長さの調節はベルトで可能です。

     

     ここにもただ一つ工夫があって。

     

     

     調節ベルトの先にも、PVC加工を表に出した襤褸を使って引っ張りやすいようなエンドにしている。

     

     細かいとこまでやりますね。

     

     

     また、この上の部分にももちろんベルトはついてます。

     

     引っ掛けたり、ちょっと少しだけ移動させる時に持ったり、あると便利ないと不便な上のベルトくん。

     

     

     さて、それでは今度は外から中へと。

     

     にしても、このパッチワーク的に切り替わる襤褸の部分、良い顔してますよ。特に左面の深い藍の感じが効いてる。

     

     

     ファスナーは襤褸の部分の傘に隠れる感じについてます。

     

     防水面でいくと、このつくりは良いですよね。襤褸には裏面PVCされてるので、そう簡単には染み込んで来ませんし。

     

     防犯としてもファスナーが前回で見えているより少し良いのかも。

     

     

     ファスナーはシンプルにブラックのコイル式です。

     

     軽い素材感なので、金属で重くなることを防ぎたかったのでしょうね。

     

     そして引き手には、ここもPVC加工を表に出した襤褸で。

     

     

     ジジジと開きますと、なかはどーんと広がる広い空間。

     

     内面は必要な部分にはもちろん滑らかなナイロンの裏地が貼られていますので、ご安心を。

     

     

     でも全面ではなくて、こちらの表の襤褸の方の面にはナイロンは貼らずに、PVCのかかった襤褸が見えるようになってます。

     

     

     なるほど、PVC襤褸の一枚ってこんな素材感なのねとしっかり直接感じることもできる。

     

     

     中はかなり広いです。

     

     もうロングウォレット一つだと、ポツーンとものすごい寂しい感じが演出できるくらい。

     

     しっかりたっぷり入るので、お財布にケータイにポーチに本に、パソコンになんならちょっと着替えも入れて……とご自由に。

     

     

     そうそう、パソコンといえばこの背面部分がまた便利です。

     

     ナイロン内装のところに仕切りスペースが一つあって。

     

     

     ここの大きなポケットがパソコンやタブレットなどを入れるスペースになっています。

     

     背面には緩衝材がついていますし、その仕切りの方にも柔らかな緩衝材がしっかり入っているのです。

     

     機能的にもきっちり考えられてる。

     

     

     意外にしっかりした緩衝材入ってるので安心です。

     

     

     まぁ、こんな風にすることはまずないのですけれど、なんなら女性のハンドバッグならまるごと入るくらいは余裕あるので。

     

     コンフェッティはコロンとしているからすっぽり綺麗に持ち手また収まってしまった。

     

     

     さ、そして収納としてはもう一つ、ここの見た目としてのアクセントにもなっている、前ポケット。

     

     

     ここもファスナーは襤褸の傘に隠れて、ブラックのコイルファスナー。

     

     もちろんここも引き手までPVCだしの襤褸です。

     

     

     このポケットの内側もPVCがしっかり張ってありますよ。

     

     

     中は結構広いです。

     

     マチも少しあるので、厚みのあるものでもある程度入ります。

     

     

     とりあえずロングウォレットを入れてますが、余裕ある感じです。

     

     シンプルな形ですが、しっかり収納できるリュックです。

     

     

     とはいえ機能より何より、一番はこの襤褸の雰囲気が素敵ということで。

     

     襤褸とくくっても様々な風合いあるなと見て楽しんでほしい。

     

     

     そして昔から伝わってきたその素材を、今に実用的に愉しめるという喜び。

     

     

     非常に嬉しいことだと思っています。

     

     

     デザイナー石橋氏の感覚はとても好きで、「ここは切り替わっててほしいなぁ」というところは、きちんと切り替わってたりしますし、ワンポイントほしいところにはワンポイントを置いてくれている。

     

     

     まぁその辺りはもちろん個体差があるところだと思うけれど、CIRCLEは結構良くしてもらえてるなと勝手に感じている。

     

     

     襤褸の風合いはしっかり感じられるけれど、現実的に使いやすいバランスを考慮してくれているというか。

     

     

     やっぱり道具として作られてますから、使ってなんぼと思うわけです。

     

     そこの塩梅がほどよい。

     

     

     細かなところまで見つつ、使うときはもうざっくりと大味にラフに愉しんでもらえたらと思います。

     

     

     ほぼ全角度からご覧いただいたような。

     

     

     あ、嘘です、忘れてました。底面はこんな風になってます。

     

     底も察していただけるとおもいますが、PVCを表に出した襤褸をしっかり使っています。

     

     なので……

     

     

     襤褸の幅に合わせてこんな風に継ぎも入りますし……

     

     

     底面ですら味わいを感じていただけるはず。

     

     

     ちょっとしたところだけれど、ぜひ楽しんでください。

     

     実用的にいえば、底がPVC面見えてるので、汚れがつきづらいですし、軽く水拭きしてもらえたらさっと簡単な汚れは落ちます、はい。

     

     

     と、このような具合で並びます。もちろん、オンラインでも。

     

     こちらもひとまず、CIRCLEでは一つこの個体の入荷です。

     

     地味に「この個体も欲しいな〜」なんて思っているのもあるのですが、それはまた時間を見ながらワガママ言って交渉していこうかな、と。

     

     でも、それ以外に店主自身の分が別に欲しい、と使いたくなってしまった。悩ましいところです。

     

     まずはぜひ、こちらの素敵な子、お愉しみいただけたら幸いです。

     

     

     

     CIRCLE

    コメント
    facebookのバックパックが残っていたらご連絡くださいませ。
    宜しくお願いします。
    • 下村優
    • 2016.12.09 Friday 22:20
    下村さま
    コメントありがとうございます。
    別途、メールにてご案内いたしますね。
    宜しくお願いします。
    • CIRCLE 青山
    • 2016.12.10 Saturday 11:36
    コメントする








     
    Calendar
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31      
    << March 2024 >>
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    • 革製品もろもろの在庫状況ずらっとご案内をば。
      circle青山 (08/04)
    • 革製品もろもろの在庫状況ずらっとご案内をば。
      T (07/28)
    • Workers(ワーカーズ)さんのバルカラーコート、なんやかやこのギャバジンが素敵です。
      CIRCLE青山 (10/28)
    • Workers(ワーカーズ)さんのバルカラーコート、なんやかやこのギャバジンが素敵です。
      masahide (10/28)
    • ル・ボナーさんからまた少しだけ色々もらいました!!
      CIRCLE (09/11)
    • ル・ボナーさんからまた少しだけ色々もらいました!!
      美樹 (09/11)
    • ル・ボナーさんからまた少しだけ色々もらいました!!
      CIRCLE (09/11)
    • ル・ボナーさんからまた少しだけ色々もらいました!!
      美樹 (09/11)
    • 「うぶごえ」さんでのブライドルレザークラウドファンディング、よろしくお願いします!!
      CIRCLE青山 (07/17)
    • 「うぶごえ」さんでのブライドルレザークラウドファンディング、よろしくお願いします!!
      shar (07/16)
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM