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2015.04.14 Tuesday

クロコダイルレザーについて。

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     連日の雨にそろそろうんざりもしてきましたけれど、この続く雨が終わると一層春の暖かさがしっかりとやってくるのでしょうね。

     今日は少し、久しぶりに革のことについて掘り上げてみようと思いました。

     シュランケンカーフやブッテーロ、あるいはブライドルレザーやエレファントなんかは過去に取り上げていましたが、エキゾチックレザーの雄であるクロコダイルについては、製品内にて少しご案内出来ただけでした。

     ということで、まだ店頭に唯一だけクロコダイルの面があるうちに、クロコダイルレザーについてのブログ。
     

     クロコダイルレザーといえば、エキゾチックレザーの中でも取り分け人気が高く、世界的にも愛されている皮革。

     小物に始まり、バッグや衣類に至るまで様々な製品に加工され、男女問わずラグジュアリーな象徴としての存在でもあろうかと思います。

     そんなクロコダイルですけれど、いわばワニ革の一種。店頭でもやはり、いろいろとお話する機会も多いですから少しその辺りを整理してみます。あくまでもCIRCLEとしての認識ですので、人によっては異なる見解もあろうかと思いますが、どうぞご参考までに。



     ワニ革は大きく分けると3種類の感覚で、革の世界では認識されます。

     ・クロコダイル
     ・アリゲーター
     ・カイマン

     とこんな風に。けれど日本ではなぜかアリゲーターもカイマンも「クロコダイルです!」なんて言ってしまっているところをしばしば見かけます。確かに大きくいえばワニ革なわけですが、それらはクロコダイルではありません。

     クロコダイルというとやはり高級感がぐっと増すというイメージもあってなのか、あるいはそもそもワニ=クロコとしてしまっているのかは定かではありませんけれども、できれば大まかなところでは正確にご案内をしてもらいたいな、なんて思ってしまいます。

     クロコダイルとアリゲーターは、住んでいるところも違えばそもそも生物学上もクロコダイルは「クロコダイル科のクロコダイル属」で「アリゲーター科のアリゲーター属」ということで、異なる生き物。無論、ワニ目という意味では同じなのですが。

     アリゲーターはミシシッピワニとも呼ばれ、名前まんまなところもありますが主にアメリカに生息するワニさんです。性格的にはクロコダイルと比べて比較的優しい子だそうで……でもワニですもんね、強いですよね。

     そしてカイマンに関しては、アリゲーターの方に近くなります、アリゲーター科のカイマン属。なのでこちらも基本的には中南米に生息するワニたち。



     ではクロコダイルは〜と言いますと、アフリカや中南米やアジアやいろいろなところに生息はしています。種類も非常に多く、一口にクロコダイルといっても生物的にもさまざまで。

     その中でも、革製品に用いられるクロコダイルはまた4つに分けられます。もちろんそれ以外を使う地域もあるやもしれませんが、一般的に。

     ・スモールクロコ(イリエワニ、ポロサスクロコダイル)
     ・ラージクロコ(ニューギニアクロコ、あるいは同等の斑スケールのクロコ)
     ・ナイルクロコ
     ・シャムワニ

     という具合です。これらは同じクロコダイルレザーではありますけれども、微妙に異なるポイントがちらほらと。それはまた後にご案内するとして。

     ところでクロコダイルレザーの何が魅力的かというのが製品としては気になること。

     一つはワニ独特のこの斑の模様の迫力、美しさというところ。他の生物の革にはない表情であり、唯一無二の存在感があります。
     一つは軽くて丈夫というところ。同様の面積の他皮革と比べると幾分軽く、それでいて表面も裏側もがっしりとした強さがあります。
     一つは一期一会的な希少性。こちらは本来の魅力とも異なる気はしますが、ワニ革全般が牛や豚や馬に比べると、そもそもの大きさも小さく、かつ天然にせよ養殖にせよ、生息数が圧倒的に少ない。ゆえに、そもそもの希少性も高いということ。

     そんな意味合いにおいてやはりクロコダイルはエキゾチックレザーの中でもさらに、飛び抜けて世界的に人気なように思います。



     さて、先ほどの4種のクロコダイルの違いについては、本当に微妙なところの差だったりもします。スモールクロコは斑の大きさが比較的小さく四角い斑が真ん中に集まります、そして脇の方にいくに従ってさらに斑は細かくなり二段の丸斑に変わっていく。オーストラリアやインドネシア、あるいはパプアニューギニアなど名前の通り、入江や淡水と海水の混じるところに生息するワニ。

     ラージクロコに関してはその一つ一つの斑が、かなり大きくなっている具合です。厳密にいえば、斑の列が何列あるかなどで微妙なさもあったりしますが……このあたりはワニまるまるの革で見ていればまだしも、製品になった状態ではなかなかわからない部分でもあります、はい。
     生息地域としてやっぱりインドネシアやパプアニューギニアなどが中心となっていて、この二つの区別はなかなか難しいところ。

     そしてナイルクロコダイルは名前にもあるようにわかりやすく、アフリカ系の国の河川に生息するワニです。現代ではその多くは養殖になっています。
     斑の具合としてはスモールとラージの中間くらいのイメージですが、丸の斑の部分が少なめで脇の方に行くと背中のような凸凹が見えてきたりします。

     最後にシャムワニ。こちらは一般的にクロコダイルレザーとして最も定番的な革になるやもしれません。斑の感じはイリエワニとにている具合ですが少し大きめ。タイやマレーシアなどで生息していますが、こちらもナイルと同様に皮革として使われているのはほぼ養殖のもの。

     ちなみに、日本で良く見るフラットな竹のような四角い斑面が特徴的なクロコダイルレザーは、ワニのお腹側の革です。丸い斑の部分が脇腹。ワニを背中でカットして広げた状態というところ。
     対してワイルドな雰囲気のワニ革として見かけるゴツゴツとしたものは、お腹側をカットして背ワニという状態にしたもの。ある意味では、まるで別物なのです。



     クロコダイルといえばこの斑の模様がやはり素敵なわけです。他の皮革にはない特徴的な見栄え。

     こんな風に長方形〜正方形(ワニによって異なる)になった部分を「竹斑(たけふ)」と呼んだりします。いわゆるお腹の真ん中周辺、という具合。

     それに対して……



     こんな風に丸い模様のように見える部分を「丸斑(まるふ)」あるいは「玉斑(たまふ)」と呼んでいます。

     こちらはワニの脇腹部分になってきて、表情豊かな柔らかい雰囲気が感じられる部分。

     皮革としての丈夫さや面白さはどちらも変わらずあるものですが、日本の方は比較的、竹斑好きな方が多いのかもしれません。

     店主としては、どちらも愉しめるのが一番のクロコダイルの面白さかな、と思っていますが。

     竹斑には竹斑の良さが、丸斑には丸斑の良さがあります。例えばかっちりと固く硬派なイメージの小物やアパレルにした時は竹斑がよく合うでしょうし、柔らかさや小さな製品においてワニらしさを出すには丸斑がよく似合う。

     以前に時計ベルトでクロコダイルを様々見ている時に、ラージクロコだったのでしょうね、竹斑で製作していたものがあったのですが、もはや斑が大きすぎて時計ベルトにはただの平面に横筋がたまに入った革のようにしか見えなくなり、クロコ大るなのかなんなのかほぼ分からない、というのも見かけたことも。それじゃ、愉しめないですものねぇ。

     クロコダイルにせよ他の皮革にせよ、それぞれに合ったものというのがやはりあるのではないか、と感じます。



     クロコダイルには仕上げも様々な見かけますが、よく日本であるのは「グレージング仕上げ(つや出し)」と「マット仕上げ(つやなし)」というタイプ。

     グレージング仕様は表面がピカピカのエナメルのごとく、光ったつやのあるもの。マット仕上げは程度の加減はありますがそこまでツヤを人工的には出さず、落ち着いた表情のもの。

     この辺りはもはやお好みの世界、とは思いますけれども使い込んでいくうちにしっかりとツヤが出てくるのがクロコダイルレザーですから、個人的にはマットクロコの状態からギラっとしたツヤを出していく方が楽しいかなぁと思っています。

     というよりもエナメル的な光沢感のあるクロコは使っているとどうしても細かな擦り傷などで光沢がなくなっていくので、ちょっと寂しく感じるというか。一番初めが革のピークのようにも思えてしまって。
     ちなみにきちんとしたグレージング加工のつやは、メノウ石でかなり強い圧力をかけながら表面を磨くことで作られます。なので、それはそれですごく立派な存在だとは思うのですが。

     まぁ、これは好みですよね、本当に。



     軽くて強い、という魅力を持ったクロコダイルですけれども、お手入れは定期的にするのがおすすめだと思っています。

     無論、何もしないでいてもしっかりとツヤを出していかれる方もいらっしゃいますが、出来れば年に何回か、それほど頻繁でなくても良いですが、クロコダイルレザー専用のクリームを塗布して磨いてあげると、綺麗な肌感が味わえます。

     店主としても様々なクリームをほぼ試してみましたが、結果的にはサフィールの出しているレプタイルクリームが一番扱いやすく、かつ効果としても程よい感じがしています。

     ブラックのクロコではさらにその黒みがしっかりと出てきて良い迫力あるツヤが増し、他の色味では柔らかな光沢を出しつつ、色味の変化が起こるのを少しずつですが防ぐことが出来る。

     磨き方うんぬん、となるとまた長く別の話になってまいりますので、そこはきになる方はどうぞ店頭にてお話しさせてくださいね。



     さて、クロコダイルといえば思い起こされるのは、型押しの存在。

     店主個人的な思いとしては、型押しはそれはそれで愉しいものだと思っていますけれども、型押しの本物のクロコのように扱ったり勘違いしてしまうのは残念だったりもします。

     とはいえ、なかなか遠目でズバッと見分けが一瞬でつくのか、と言われると。結構難しいわけです、実際(笑)。

     迫力的に明らかに感じでわかるのはわかりますが、最近の型押しはとっても精巧になってきているので、わかりづらいものもあったりします。



     そこでわかりやすいのが竹斑の部分を見たときに、この小さなポツポツとした穿孔という穴があるかどうか。

     クロコダイルには基本的には一つの斑に一つ、この穴があります。もちろん斑の箇所によっては入っていないこともありますが、竹斑全面に入っていないクロコはありません。
     ただし、アリゲーターやカイマンに関しては、クロコダイルと異なりアゴの部分以外には元々この穿孔がないので、なんともさらに難しいところはありますが。
     この穿孔は生きている時の感覚神経を司る器官的なことだそうですが。クロコダイルは体全面にあるのでかなり敏感ってことなのでしょうね。

     また、型押しはどうしても斑のパターンがありますから、大きな面で見ると均一な形のループになってしまっていて、本来の斑のランダムな感じがなかったりするので、その辺りでも見分けは付くところ。
     触った感触なども差はありますが製品になっていると様々な内装などの要因でその辺りは左右されるので。



     さらに、しっかり本物のクロコダイルでは丸斑の部分にも表情がしっかりとあります。一つ一つの丸斑は微妙に雰囲気が異なり、細かなバランスの差があるもの。さすがにここまでは型押しは再現してきれません。

     大まかに竹斑の具合や線の雰囲気、丸斑のランダムさは表現ができても、細かなところはやはり限界があるというところで。

     しかしながら牛革や馬革に型押しを施すことで、価格を抑えながらクロコダイルの雰囲気を味わえて、かつ型押しをすることで表面に傷は目立ちにくく、熱でぎゅっとしまって強くなりますから、それはそれで悪いことではないと思っています。

     それぞれのライフスタイルと好みにあった革種を選んで愉しんでいただくのが、きっと一番なのだろうと感じています。



     このワニだから良い、あのワニだからダメ、この斑だから良い、この斑だからダメなんていうのは、皮革の段階では最終的には純粋な好みの問題。

     カイマンの荒々しい感じが好きな方もいらっしゃるでしょうし、アリゲーターのあのビッグな感じが好きな方もいらっしゃるはず。
     スモールクロコの均整のとれたぴしっとした雰囲気が好きな方もいれば、ゴツっと力強いクロコダイルの表情が好きな方も多いはず。

     それぞれの違いをなんとなーく感じながら、自分はこの革なら愉しめそうだなぁというところで、クロコダイルレザー、あるいはワニ革全般は使っていただくのが良いのではと思います。

     ちなみに、FABRICさんが製作をしてくれたラウンドウォレットは、シャムワニです。シャムっぽくないイリエワニ的な雰囲気も少しあるのですが、様々なバランスを見るとシャム。

     エキゾチックレザーは独特の世界観を持った皮革です。

     そうそう頻繁にはCIRCLEでもご案内できないかもしれませんが、何か珍しいものは考えていきたいなぁと常に思っています。



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