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2014.11.04 Tuesday

リモンタ社のナイロンサージ、ジョージアについて

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     さて今日は、店頭でCircus of Happinessのショルダーバッグをご覧いただくときに話になる、横や背面に使われている、ナイロン生地について。

     ナイロン生地、というとどこか薄べったいイメージがあるかと思いますが、このバッグに使われているイタリア・リモンタ社のジョージアというナイロンは、まるでコットンの極厚手キャンバス生地のような、しっかりとした存在感と風合い。

     けれどもちろん、ナイロンなのでとっても軽い上に、丈夫。

     そんなナイロンですよとバッグのブログの中でご説明をしているも、そのジョージアってどんなナイロン生地なのか、というところ。

     リモンタ社のナイロンというのはよくアパレルやバッグなんかで聞くこともあるかもしれませんが、ほとんどの場合は「じゃあそれは、どんな風なナイロンなのか」というのはご案内されることなく、リモンタという響きだけでイコール丈夫というように書かれてしまうもの。

     それもなんだか寂しいので、少しばかりCIRCLEの場合はご案内をば。
     

     リモンタ社と言えば、アパレルやバッグ・小物の生地メーカーの中でも、とりわけナイロンに定評のあるイタリアブランド。

     一時期は「リモンタナイロン」というだけで妙な付加価値があったり、雑誌で取り上げられたりなど、ものすごく日本でも流行ったように思いますが……まぁそういう流行り廃りは置いておくとして。

     昔から今になっても、リモンタ社は本来、ナイロンだけでなく様々な上質な生地を、アパレルブランドやバッグメーカーなどに提供をしています。ファッション的なハイブランドではリモンタと特に謳わずとも、リモンタ社の生地を用いていることもかなり多いようで。



     日本でリモンタ社のナイロンとして一世風靡をしたのは、やはりイタリア系のビジネスバッグの世界でしょうか。

     特にその先駆けとして現在でもバランス感の良いバッグとして人気の「フェリージ」は、リモンタ社の薄手のナイロンタフタとレザーを上手に組み合わせることで、スタイリッシュなナイロンビジネスバッグの存在を打ち出しました。

     その後にオロビアンコやダニエル&ボブなど、その他イタリアブランド(といっても多くは日本企画と思いますが…)も取り上げられ、いつの間にかリモンタナイロンは「さらっと軽い薄手のナイロン」というイメージが日本では定着してしまったように思います。

     実際には、そういった生地だけでなく表情に富んだ様々な生地を、毎年毎年生み出しているわけですが、日本ではそう見かけることはありません。



     リモンタ社のナイロンは、一般的なナイロン生地に比べ、軽く丈夫で光沢が美しいと言われます。

     確かに、あくまで実体験の中ではあるものの(店主も、フェリージのバッグは時折使うので)、やはり薄手のナイロン生地の割に、避けたり破れたり、あるいは擦り切れたりすることが少なく、長くきれいに使えています。

     そしてまた、生地が膨らんだ時や折れた時、あるいは光を浴びたときに見える光沢感は、独特のテラリとした光があり、美しいと言われるのもうなずける。

     国産のナイロン生地や他の国のナイロン生地でも素敵なものは様々ありますが、こと繊細さと軽やかさ、そして丈夫さのバランスで見ると、やはりリモンタ社のナイロン生地は優れているなと感じるところ。



     こちらはリモンタ社のものではありませんけれど、いわゆる一般的なナイロン・タフタというのはこのように薄く柔らかく、細かな肌合いのものが多くを占めています。

     特にバッグの表地、もしくは裏地などに用いられるナイロン生地は、このようにしなやかで薄手のものが基本。



     タフタ、はいわゆる平織りのことです。巷でよく見るナイロンやポリエステル系の生地は、タフタが多いと思います。

     もちろん他の凝った織り方をしている場合もありますし、ハニカムにしたりリップストップにしたりと、ナイロン生地でも機能性は様々ではございますが。



     そんな中、このジョージアはそういったいわゆるナイロンタフタとはまるで表情が異なります。

     どちらかと言えば、コットンキャンバス、あるいはウールサージ(毛の綾織り)のように表情の彫りが深く、生地の編み目が見える。陰影もくっきりとわかりやすく、肌触りもがっしりとしっかりと強くなってきます。

     ジョージアはリモンタ社のナイロンの中でもちょっと珍しい方ではあり、今ではもう基本的には生産されていないはずのナイロン生地。また、生産されていた時も、量産的に作られたわけではなく、受注生産のような具合で決まった量だけが織られたもの。

     Circus of Happinessでは、CIRCLE店主のこれまでの仕事の流れの中で、この生地を手にできる機会があり、今使えているという具合。なので、今新しくこの生地を手に入れるのは、基本できません。
     (店主の出身ブランドはもちろん、まだ生地を持っているはずですけれども。)



     こうしてアップで見ていただくと、いかに織りの目が出ているかがわかりやすい。

     織っている目の流れがデニムやウールサージのように斜めに流れているので、ナイロンサージと呼んではおりますけれど、細かな分類はなかなか難しいところ。

     細く丈夫なナイロン繊維を何本も束ね、それをまた数本撚っては糸とし、それをまた織り上げる。ですので、織り目の一つ一つを細かく見てみると、そこにまた細かな繊維の流れがあるのがわかります。



     ナイロンの糸番手も太めのものが用いられて、摩擦や引っ張りにかなり強くなっています。コットン生地などにありがちな毛羽立ちも起こりづらく、極めて丈夫。

     それでいて、重量は同じ厚みのコットン織りなどと比べると、ゆうに半分以下ほど。圧倒的に軽い。このバッグを同様に厚めの他の生地で製作すると、かなり重たく感じられると思います。
     (ブライドルレザーも、相当贅沢に厚く使っているもので……)

     そういう意味では、このジョージアというナイロンサージは、軽やかなナイロン生地という見た目とは異なり特徴的なものの、丈夫で軽いというナイロン的特徴はしっかりと持っている生地。
     むしろ、丈夫さの観点でいけば、単純に薄手のナイロンを幾重にも重ねたくらいの厚みがあるので、強い生地なのは、いわずもがなといったところです。



     ただし、その分バッグや小物を作るにしても、随分と縫製などが大変な生地でもあります。

     実際、バッグの淵の部分などで折りこんで縫い上げる部分は、職人泣かせ。

     かなり時間をかけてしっかりと固定しながら縫製をかけていかないと、きれいに仕上がらず、相当に苦労をして縫い上げてもらっています。
     (他の生地や革でパイピングなどをすると、もっと楽にできるのですけれど)



     生地の端っこ部分をよくよく見ると、ちょっとぼさっとしているような繊維の束が見えるかと思います。

     普通に生地を裁断すると、裁断面のナイロン繊維が広がりやすく、まとめて綺麗に処理していくのが難しい生地。

     薄手のナイロンタフタとはそのあたりの雰囲気も、また異なります。この風合いは、まるで硬めのウールサージのような風合い。

     綺麗に仕上げてくれる職人さんには、頭が下がります。



     リモンタ社のナイロンは、なかなかナイロン繊維そのものの太さや重さなどを細かく公表してくれない(日本に入ってくる時点でも、あまり詳しく出てこない)ところもあり、他のナイロン生地のように数値でご案内がしづらいところはあるのですが、このジョージアに関して言えば、触っていただくと明らかな厚みと糸の強さを感じていただけるはずなので、丈夫さはわかりやすいと思います。

     インビスタ社のコーデュラナイロンや、デュポン社の66ナイロンなどなど、丈夫で良いナイロンは他にも色々とありますが、そのどれとも違う、暖かな表情と渋い光沢感は、リモンタ社のジョージア特有のもの。

     おそらく、ナイロンと言われなければ、妙に光沢感の良いとっても上質なコットンにも思えるはず。



     そんなジョージアを用いて、このバッグは成り立っています。

     イギリス産のしっかりと厚くロウの多いブライドルレザー、イタリア・リモンタのぐっと強く表情がありつつもしっかりと軽いナイロンサージ・ジョージア、そして内装のボンセーヌなど多角的な素材が相まって、重さや形などができているもの。

     このナイロンサージが無くしては出来ないバッグであり、この生地の存在感がやはり素敵だなとも感じます。

     ぜひ、店頭などでもまたじっくりと生地をご覧いただければと思います。



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