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2014.11.03 Monday

シュランケンカーフのシボ(皺)などの違いについて

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     今日は、店頭にてお客様とのお話の中で上がりました、ペリンガー社のシュランケンカーフのシボ(皺)について。

     以前のシュランケンカーフのご案内にて、革についてはご覧いただければと思いますが、今日はもう少し突っ込んだシボのこと。

     小さなシボ大きなシボ、凹凸の強いシボ弱いシボ、トラの有無など含めて様々な表情があるものですが、どれもそれぞれの個体のもつ魅力の違いなのです。
     

     シュランケンカーフのシボ(皺)は、基本的に型押しなどは用いずに薬品によって革を収縮させているので、革一枚一枚にも個体差がありますし、一枚の革の中でもやはり部位によって風合いが異なるものです。

     その個体差によって基礎的な優劣はなく、極論を言ってしまえば、CIRCLEとしては好みの問題かな、と思っています。

     シボの入り方によって、細かな手触りや柔らかさや、もちろん見栄えの差はあれども、それが単に「品質の差」ではないような。革の端のような、極端に大きな場合を除いて。(基本、CIRCLEに並ぶシュランケンカーフでそこまで大きなシボのものは、見ることはそうありませんけれど)



     例えば、このル・ボナーさんの残心シリーズの小銭入れのシボは、かなり細かい。

     全体的に小さな皺のように浅くシボが感じられる程度。

     このようなシボはシュランケンカーフが徐々に柔らかく馴染んでいき、長く使っていく過程にて、少しシボは目立ちづらくなっていく傾向にあります。

     だからといって、革が弱いとか光沢が出にくいとか、そういうことはないものです。



     こちらのゴールド(キャメル)も同様です。

     シボの入り具合によって光沢の見え方に差はあったとしても、その光沢の質やスピードに大きな差があるわけではなく。

     とはいえ、見栄えのイメージはやはり大きさ、深さによって異なると思っています。

     小さく浅めのシボ感のシュランケンカーフは、やや上品にしっとりとした空気感を携えます。実際に手に触れた際も、凹凸が少なめになると革のしっとり感は感じやすくなります。



     これくらいは、中くらいの大きさと深さかも。

     店主個人の好みでいくと、日本人ぽい好みではありながらも、ほどほどが好きです(笑)。

     とはいえ、それは品質がどうこうというのではなく、あくまでも見た目の話。

     こういう三角形が見えるような具合のシボは、なんだか好き。



     シボの大きさが同じくらいでも、深さが違えばまた見え方は異なりますし、色によって光の反射が違う分、シボの印象も変わってきます。

     天然の革を、薬品の完全には予測できない縮み率でシュリンク(収縮)していくので、極めて正確にいくとまるっきり同じ表情、風合いの革はありません。全てが違う。

     そういった愉しみも、シュランケンカーフの面白い部分。同じ製品を製作しても個体差が出るわけですから、それぞれにとっての愛着のある一品になってくれるはず。



     これくらいになると、比較的大きめなシボ、という具合でしょうか。

     もっともっと大きいシボも革全体で見ると端の方にあったりしますが、ルボナーさんの場合はそのあたりの革はあまり使われません。見ようによっては、表情がものすごく豊かで皺が深いものなわけですが、製品にするとかなり荒々しい雰囲気になることも多いですし、縫製もしづらいはずなので。

     でもでも、これくらい大きなサイズのシボになってくると、凹凸感がはっきりとしてくることもあり、光の反射も強く感じられ陰影が濃く見え、ふっくらとした表情が見えてきて趣がある。

     傾向として、シボが大きめの革は幾分柔らかさもあるようには思いますが、それで丈夫さが大きく変わるものでもありませんし、シュランケンカーフ特有のもっちりとした感覚はまるで同じ。

     

     また、シュリンク(収縮)の際にできるシボだけでなく、革にもともとついているトラ(深めの皺)も、シュランケンカーフの表情の一部。

     これはもともと生きているときに激しく動く部位、とりわけショルダー(肩)よりの部分に大きく出る傾向がありますが、動きによってできた自然の皺のような具合。

     このトラは好き嫌いがとっても分かれますし、どちらかといえば気になってしまう方が多いようなのですが(特に女性はあまりお好みにならないような……)。

     トラのほどよく入っている部位は、実はよく運動している部位ということ。よく運動している部分の革は、部位としてちょっと他の部分よりも強かったりします。ショルダー革は丈夫、と言われることも多くあり。

     そう思うと、このトラの大きな魅力の一つであると思います。ルボナーさんでも、あえてトラ部分を多く使ったパパスショルダー、なんてアイテムも作ったりしていました。



     ルボナーさんでは、このシボ革を使うバランスがとてもうまいと思っています。

     シボの大きさや深さによる品質的な差異はほとんどないとしても、見栄えは違う。

     となると、意外に大切なのはシボが大きいか小さいかよりも、いろいろなパーツを総合してできたバッグや小物を見たときに、いかに全体的に揃った表情の革で製作ができているか、というポイントではないかと思っています。

     例えば、こちらのミセスというワンショルダーバッグは、そのバランスは非常に綺麗。前面に見えている3枚に分かれた部分は、それぞれ異なるパーツとして革を裁断して縫い合わせているにも関わらず、とっても自然なシボ感の揃い方で、違和感がない。

     そういったバランス感が、ルボナーさんの製品ではとても優れていると感じます。

     もちろん、完璧にどのパーツもほぼ同じような……というのは物理的に難しくとも、全体として違和感なく、綺麗な状態でというようには出来るもの。ボナーさんの製品を見ていると、その気の使いようにいつも嬉しい気持ちになる。



     それでも場合によっては、少しバラつきが出ることもありますが、そういうときにはキチンと見えづらい部分にシボ感が少し異なるものをもってきたり、うまくグラデーションのようにシボ感の段階を分けたり……。

     こういう工夫は、やはりシュランケンカーフのバッグや小物を長く製作してきたからこそ、うまく出来る塩梅なのかなと感じています。きっと、ルボナーさんのバッグをお好きな方は、すでにそんな風に魅力を感じてくださっているのだとも思いますが(笑)。



     シボやトラなどは様々な風合いがありますけれど、やっぱり一番は見栄えのお好みで選んでいただければ嬉しいなと思っています。

     色々な知識や素材のバックボーンはあれど、最終的にはバッグや小物は、見栄えと機能性が気に入ってたくさん使ってくださるのが、最も愉しいはず。

     自分はこういうのが好き!という風合いに出会えたら、とっても幸せですしね。



     そんな風に、シュランケンカーフを愉しんでいただけたら、CIRCLEとしては嬉しいです。

     店頭ではもちろんのこと、メールやお電話などでも、できるだけ在庫している個体の具合はご案内できるように、と考えています。

     もしこの個体はどんな感じかな?というのがあったりしましたら、バッグでも小物でも、いつでもお問い合わせくださいませね。



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