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2014.10.20 Monday

チタン素材について

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     今月頭に入荷をしたakiahmaジュエリーの幾つかは、白く美しいシルバーとはまた異なり、独特な色合いと軽さが特徴的なチタンを用いたものでした。

     アクセサリーの一部は早々にお客様の元へ旅立っていきましたが、また少しチェーンなども含めお願いをしていて。

     ところが、肝心の素材であるチタンについて、しっかりとご案内をできておりませんでした。

     今日は、そんな金属としてのチタンについて、のこと。いつものように、少しばかり細くて長いかもしれません。
     

     akihamaジュエリーの代表格としての金属はやはり純度が高く光沢が美しい、「シルバー950」だと思っています。シルバーの持つ柔らかな光沢が、秋濱氏の手による羽の彫金が加わることで、ふわっと軽やかな、金属であるのに本当の羽のような独特な味わいが愉しめる。

     時に製作をしていただいているチタンは、シルバーとは異なる魅力。シルバーのような白系の輝きや柔らかさとは別に、チタンの持つ軽さや引き締まった肌合い、そして焼き付けや電気イオンによる華やかなカラーが面白いもの。

     それぞれの金属において魅力はあると思っていますが、チタンのアクセサリーは現代で増えてきていながらも、いざ「チタンってどんな金属」と言われると、他の金属に比べると知られていないような。



     チタンにも様々なものがあり、純度の高いチタンにごく少量の鉄(0.数パーセント)が混ざって集積されているものが、純チタンと呼ばれています。ものすごく細かいパーセンテージでいくと100パーセントのチタンというわけではないことになりますが、恐ろしいほどにわずかなパーセンテージなので、ほぼ100パーセントのチタンと言っていい存在。

     それに対して、チタンの硬さをより強固なものにし、衝撃や熱に強くしていくために、様々な金属を合わせたものがチタン合金と呼ばれます。

     akihamaジュエリーで用いられているチタンは、純チタン。耐食性と加工性に優れているもの(と言っても、アクセサリーとしての金属の中では、明らかに加工しづらい方なのですが)。

     熱や電気を加えず、彫りも加えていない状態のチタンは、上の阿蔵のようにとってもプレーンな表情。マットな具合でありながら、どこか細かなキラキラが全体に感じられるような金属。

     純チタンはチタン化合物全体の中で言えば加工性のある方ではありますが、通常の金やシルバーなどのアクセサリーに比べると、やはり固く、彫る側の鏨(たがね:彫金を施すための道具です)の寿命がものすごく早くなってしまうほど。秋濱氏は「いたいや、もっと固い金属はありますから……」なんて謙遜をすることが多いですが、手作業でチタンに細かな装飾を施すのは、とっても凄いことだと思っています。

     純チタンにもその素性によって1種〜4種と別れ、合金でも配合によってまた別れてくるのですが、そこまで細かなことはちょっと割愛いたします。一応、秋濱氏が用いているチタンの種類も確認済みではあるのですが、ま、それは細かすぎるので気になる方はどうぞ店頭にて(笑)。



     チタンは金属としては鋼鉄よりも極めて固く、それでいて鋼鉄よりも圧倒的に軽い。身近な軽い金属としてはアルミニウム(アルミ缶などもそうですものね)があると思いますが、アルミよりは60パーセントほど重いものの、強度は2倍以上。軽くて強い、そんな金属なわけです。

     金属疲労も比較的起こりづらく、さらに通常のわずかな湿度がある環境では、酸化や硫化にも強い。銅や真鍮、あるいはシルバーもですが空気中に置いていると少しずつ色が変わっていったり(もちろん、磨いたり化学変化で元に戻せますが)、鉄などを考えると錆が生まれたりします。
     そういった耐食性が非常に高く、電気や熱伝導も良い。様々な意味で、ヒトの生活にとっては優れた金属の一つ、です。

     その甲斐あって、チタンは飛行機のエンジンや建材、電子機器から人口骨といった医療の分野にまで使われるようになっています。医療に使える、というのはそれだけアレルギー性がヒトにとって低いということであり、基本的にはチタンのアクセサリーなどでは金属アレルギーが起こることが少ないものです。
     (純チタンのアクセサリーの場合は、とも言えることはあります。合金の場合は混ざっている金属に反応することもしばしばあるようで。また、純チタンでも稀にアレルギー反応が出る方もいらっしゃるそうなので、完全にない、ということではありませんので悪しからず)

     そういうわけで、近年ではアクセサリーや腕時計などにチタンを用いることが随分と注目され、徐々に増えてきたように思います。とはいえ、秋濱氏のように極端に手で彫金を施している例は、ほとんど見受けられないですけれど。



     単純にチタンのマットで渋く輝く風合いのまま用いられることもあれば、アクセサリーとして美しいのは、やはりその熱や電気によって起こされる、チタン独特の発色。

     チタンはその表面に酸化膜を強制的に作ることによって、様々な色に変わります。厳密に言えば、チタンそのものの本質的な色が変わるわけではなく、表面にできる強固な酸化被膜が光の反射屈折を変え、私たちの目には様々な色に見える、ということなのですが。

     このチタンの色合いは他の金属ではなかなか見ることができないような鮮やかなカラー、渋いカラー、絶妙なグラデーションを表現することができ、特別なものと言っても良いかもしれません。
     (もちろん、多くの金属は熱や酸化で色の変化を起こせますが、ここまで多色に鮮やかになるのは、身近な金属ではチタンが随一と思います)

     その色をつけるにも方法は2パターンあり、秋濱氏はそのどちらをも使ってジュエリーに色を施します。

     一つは、バーナーなどによる高熱をゆっくりとあてていくもの。バイクなどで改造がとっても大好きな方などには、よくある光景かもしれませんが、高温をボワーっと強くあてて炙るようにしていくことで、表面に酸化被膜を作り、色を変えます。

     その炙る温度や加減などによって色合いは異なってきますが、バーナーでできた色の変化は、どちらかというと渋めで色濃く、ぐっと力強い印象があります。また、グラデーションが非常に滑らかで、チタンの銀系の色からイエロー・オレンジ・ブルー・バイオレット……ととても自然に色が変化していく。

     手で行っていくのは手間のかかる発色作業ではあるでしょうが、こうすることでチタンの魅力はやはり数倍に増していきます。



     また、もう一つの方法としてアクセサリーなどでよく行われるのは、「陽極酸化処理」という技術。

     店主は科学者や技術者でないので、細かなことはあれですが、とっても平たく言ってしまうと「電解質溶液(電気を通す溶液)の中で、チタンを陽極(正極)としながら電気を流すことで、チタンの表面に酸化膜を作る」という感じ。

     なんといいますか……現代技術すごい!というような力技。

     綺麗な陽極酸化処理には専用の特殊な機械が必要になってくるので、なかなか簡単にはできないのですけれど、秋濱氏のようにきちりと管理をして色をつけると、とても美しいピンクやイエローや水色、グリーンなんかも出せたりします。その色合いは、どちらかと言えば明るく軽やかなカラー。

     陽極酸化処理とバーナーによる熱では、酸化被膜をつくるという点では同じであれど、仕上がりの色合いの空気感や雰囲気は違って感じられます。

     ちなみに、被膜と言ってはおりますが、その膜の厚さは10nm〜300nmほど。ナノはマイクロの1000分の1、ミリの100万分の1の単位ですので、いかにその被膜が薄いかがわかります。
     一般的な金属の銀メッキなどでは2~4マイクロほどなので、もっともっと薄いわけです。

     しかしながら、チタンの表面にその酸化被膜は固着するようにくっついているので、通常の日常使用などで色が大きく変わってしまったり、なくなることはありません。もちろん、強く深く傷がついてしまうと、そういった部分は変わってしまうことはありますが。



     シルバー950の持つ風合いとは、やはりまた別物。

     シルバーの色が変化していく具合も面白いものですし、逆に非常に安定した色合いのチタンも魅力的。

     これは、アクセサリーとしては甲乙のつけがたいそれぞれの金属、と思います。



     チタンに細かな毛彫りを施すのは、手に対する負担もさることながら、きっと集中力もものすごい使うはず。

     巷のチタンアクセサリーでは、機械的に切削をしたり、あるいは鋳造するなどしていることがほとんどですが、今のakihamaジュエリーでは、完全な手彫り。
     そんな金属を楽しむことができるというのは、素敵なこと。

     ただ、チタンに関してはうまく鋳造することで、それはそれでスタイリッシュな風合いを出すことも可能なので、CIRCLEとしてはakihamaジュエリーでも、鋳造を用いて何か小さな小物ができたら面白そうだなぁと思っていたります。
     鋳造といえども、元の型を手彫りで仕上げていくわけなので、手彫り感とスタイリッシュさが合わさるのも、なんだか素敵そうで。

     ま、それはお店の妄想として今は捉えてくださいね。akihamaジュエリーは、基本全て秋濱氏による一つ一つの手彫りです。そして、その一点一点の違いがやはり醍醐味でもある、と思っていますので。



     チタンは人の手や油などがついても、目に見えて腐食をしたり大きな変化をしないので、アクセサリーや小物をお使い頂く上でも、気軽に愉しみやすい金属です。

     ひんやりとした感触と驚くほどの軽さが相まって、少し大きなものになっても使いこなしやすい。なので、茶杓なども面白い用途。

     ネックレスやピアスなどでも軽い分、より気軽かもしれませんね。



     CIRCLEとしては、akihamaジュエリーではシルバーもチタンも、そして他の金属に関しても、それぞれで異なる愉しみをご案内していければ嬉しいと思っています。

     なので、きまぐれに様々な素材が出てくると思います、はい。

     チタン素材でもシルバー素材でも「こんな形ができないですかね」、と常に色々と秋濱氏とは相談をしながら、魅力的な羽ができないかなと進めています。

     チタンはその中でも華やかなカラーを担ってくれる、大切な素材。小さなアクセサリーはあっても、大きめの味わいを感じられることは少ないと思いますので、店頭では是非手に触れて愉しんでみて欲しいところ。



     シルバーはシルバーで、その柔らかやさ暖かな風合いは、チタンとはまるで違う魅力に溢れます。

     どちらの金属が良い悪いということではなく、キャラクターの違い、ですよね。

     季節感やファッションによって、あるいはその日の気分によって、さっといろいろな金属を愉しめたなら、また日々がさらに充実して感じられるように思います。



     チタン製のakihamaジュエリーは今は店頭に少しになってしまいましたが、ちょっと無理にお願いをして、また少し用意していただけることに。

     あまりに早く旅立って行ったので、店頭にご覧いただけることも少なかったので、急遽お願いをしていました。

     チタン製のネックレスチェーンも届くので、届いたらこのブルーとバイオレットがものすごく美しいヘッドも、また店頭を彩りご覧いただけるようになります。

     チタンは、意外と身近な金属で、ヒトにとって非常に便利で扱いの良いもの。(もちろん、そんな風になるまではとっても大変な研究の積み重ねだったと思うのですけど)

     是非、その特性を感じながらアクセサリーや小物として味わっていただければと思います。きっと近いうちにまた、異なる味わいのチタンをご覧いただけます、それはそれでお愉しみに!



     CIRCLE

     
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