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2014.10.10 Friday

オックスフォード生地について(コットンについて)

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     今月の頭に仕上がって来てから、様々な方に愉しみ始めて頂いている、Circus of Happinessのマスターシードコットンを用いた、オックスフォードボタンダウンシャツ。

     オックスフォード生地は現代において、「オックス」と一般的にものすごく定番の生地となりました。それはカジュアルシーンにおいても、ビジネスシーンにおいても。

     けれど、一口にオックスと申し上げても、色々なものがあったりします。Circus of Happinessの今回のオックスは、いわゆるオックス、分類的に言えばやや「ヘビーオックス」の類いになって参ります。

     その他のオックスのことなど含め、今日は「オックスフォード生地」そのものについて。
     

     さて、冒頭にも申し上げました通り、オックス生地と言えども種類は様々。

     よく「良いオックスのシャツがあってさー」という会話を耳にしますが、きっと聴く側のスタイルによって、想像するオックスの印象はまるで異なるはず。ドレス・ビジネス的なオックスなのか、あるいはカジュアルなオックスなのか。

     織り方が異なるわけではないので、勿論それで良い訳ですけれど、オックスは呼び名が変わるとまるで風合いも変わる面白い生地。



     一般的なオックス生地の定義としては、簡単に言うと「タテヨコに二本の糸を引き揃え、あるいはタテ二本ヨコ一本を引き揃ええて織った、平織りの生地」という具合。

     斜子織りと呼ばれることもありますが、要は糸二本分ずつ(それ相当の太さずつ)の感覚で平織りをすると、オックスフォード生地ですよ、というしくみ。
     ものすごく生地としてはシンプルです。厚手のものでは縦に細い糸を双糸で用い、横に太い糸を単糸で織られることが多いような。逆に薄くしなやかな類いは、縦横同じ細さで追われることも多くそれらは様々。

     織りそのものはシンプルなのですが、そのシンプルな中に違いが大きく、好みも分かれるところ。



     大きく分類するとオックスは4種類(あるいは3種類と言っても良いと思っていますが)に分かれてきます。一つが、いわゆる「オックスフォード」、一つが「ヘビーオックス」、そして「ピンポイントオックス」に「ロイヤルオックス」。

     ただいわゆるオックスフォードとヘビーオックスは、糸の質や織りの密度によって、結構近いようなことも多々。なので、ざっくりと「オックス」・「ピンオックス」・「ロイヤルオックス」の3種類の感覚でもさほど違和感はないようにも。

     とはいえ、それぞれで異なるのはとりわけ「糸の太さ」になってきます。糸の場合の太さは番手で表されます。10番手、100番手、なんて。
     数字が大きければ大きいほど細い糸、小さいほど太い糸となります。(その辺りは過去の綿について、をご参照下さいませ

    「オックスフォード」:おおよそ20番手〜40番手の糸を縦横に用いて組み合わせて織られる。よく定番的なものは縦に40番手双糸と横に20番手単糸を用いたり。

    「ヘビーオックス」:おおよそ10番手〜40番手の糸を用いる。よくあるのは縦に40番手、横に16番手など。通常のオックスフォードより厚く硬くなる傾向。

     上記二つは、意外と使われるコットンや番手の組み合わせによって、近いニュアンスになります。そして、

    「ピンポイントオックス」:おおよそ80番手〜100番手の糸を用いる。光沢感が増すと同時に、やや生地が柔らかくしなやかになってきます。80番手双糸を縦横に用いるのが定番でしょうか。

    「ロイヤルオックス」:100番手〜(120〜140が多い印象)の糸を用いる。キラキラと光沢感が強く、薄くさらりと滑らか。

     この二つも比較的感覚は近いものがありますが、ロイヤルオックスは糸がより細く組合わさる分、薄くしなやかで、かつ織りが複雑そうに見えることがあります。(拡大して見ると特に)

     と、こんな具合。

     Circus of Happinessのシャツや、カジュアルなシャツに用いられることが多いのは、いわゆる「オックスフォード」や「ヘビーオックス」。適度に厚みがあり、モノによってはすこし ゴワっとした感触もある、中厚手のタイプ。
     ラフなイメージもありますが、洗いざらしで着るにはほどよく、ガシガシと着込んでいくごとに味わいが深まり、体に馴染む感覚があります。

     逆に、ビジネスシーンやドレス的に用いられるのは、薄く軽くしなやかで、光沢感が出てくる「ピンオックス」や「ロイヤルオックス」。
     シュッと爽やかなイメージで、洗いざらしよりもアイロンでしっかりとプレスして、キリリと引き締めて着る感覚。家で洗濯、というよりはクリーニングに出そうかな、とかそういうイメージ。(いや、家でも洗えますけどね、もちろん)

     どれが良い悪いというではなく、それぞれに厚みやしなやかさ、見栄えだけでなく着心地にも特徴が出てきます。



     オックスの生地感は、触っても勿論なんとなく堅さや厚みで分かりますが、近づいて見て見るとより分かりやすいもの。

     肉眼でも近づくと糸の太い感じがしっかりしているのが、ヘビーやオックス。

     逆に近づくと妙にキラキラしていたり、なんだか細い糸が複雑に絡まってるようにも感じるのが、ロイヤルオックスだったり。

     マスターシードコットンのオックスも近づくと糸の具合がポコポコとしっかり分かります。



     しかしながら、マスターシードコットンを用いたCircus of Happinessのシャツは、ややヘビーよりのオックスなのに、光に当たると妙に上品な光沢感があるのです。

     糸は太く、確かに丈夫な具合の番手で織られているのに、キラキラと表面が輝く不思議。通常のオックスの場合は、どことなくマットな表情でやや掠れた風合いのものが多いのですが、まるで違う。

     優しいキナリ色をしながら、糸そのものがしっかりと潤いを持っているような。そんな感覚。



     アップで写真を色々と撮っていると、その差はよく分かって。中厚系のオックスでここまで上品な光沢があるのは、あまり見かけません。だからこそ、シャツを作ることになったわけですが。

     これは、まさにマスターシードコットン(海島綿とピマコットンの交配されたコットン)だからこそ生まれる、糸自体が持つ光沢の兼ね合いなのだろうと思います。

     そういう意味では、中厚でがっしりと丈夫なヘビーよりのオックスであるにも関わらず、ピンオックスのような良い光沢感を味わえる。
     さらに、触って見るとこれもマスターシードの兼ね合いなのか、それなりに厚みはあるのに、ピンオックスのように妙にしなやか。

     糸の組成によって、いいとこどりをしているようなオックス。生地というのは、本当に理論や分類だけでは総てを知ることが出来ないものだなぁと痛感します。

     もちろん、分類や理論は大切で、それを基に様々糸や生地を検討したりもするわけですが、そうは言っても織られてみたものに触れるのが一番分かりやすい。



     同様にマスターシードを用いて、ピンオックス・ロイヤルオックスなども勿論織ることが出来ますし、そういう生地もあり、製作するモノや雰囲気によって適正があると感じています。

     しかしながら、それぞれどのオックスにも言えるのは(もちろんマスターシードコットンを用いたものでない、他のオックスもそうなのですが)、やはり「ボタンダウンシャツとの相性は有無を言わさず良いなぁ」ということ。

     それは長い歴史の中で、様々なファッションがありながらも、現代まで脈々と受け継がれてきたもの。ボタンダウン(ポロカラーでも良いですが)と言えばオックス、というのもなんだか頷けます。

     この生地に見える糸の微妙な陰影や凹凸が、きっとそうさせているのでは、と個人的には思っています。



     例えば、同じ白シャツで高番手のタイプライタークロスでは、生地の見え方はやはりまるで違うわけで。

     糸がものすごく細くぎゅっと織られますし、オックスとは違い隙間を細かく平織りにされるため、糸そのものの陰影や凹凸というのはあまり見えなくなってきます。

     それは、ブロードなんかも同じことが言えて。(一部、太さをあえて変えて織るポプリンなんかは、畝が見えたりしますが)

     そう思うと、オックスフォード生地というのは、やはり定番でありながらも「オックスフォード生地しか持たない、独特の表情」があるのだと感じます。
     そしてそれは、結構分かりやすく魅力的。

     あ、もちろんその他の生地だって、そういう意味ではそれぞれの独自性があって、魅力に溢れているわけですけれど。



     Circus of Happiness マスターシードオックス・ボタンダウンシャツ ¥15,500+税

     いずれ、ピンオックスで同じような形状を作って、それぞれの表情の違いなんかを見て見ると、また面白そう。

     同じ形で、オックス・ピンオックス・ロイヤルオックスでどれだけ印象が変わるのか、どれだけ趣が異なるのか。

     そんなこともオックスの愉しみの一つなのかもしれません。

     がっつり着て洗ってが愉しいヘビーが好き、ほどよく上品なピンポイントが好き、いやいや限りなくしなやかで大人っぽいロイヤルが好き……など人それぞれにこだわりもありそうですけれど、それだけオックスは私たちの生活に密着した生地の一つなのだろうと、改めて感心してしまいます。

     是非、心地よいオックスの一つとしてマスターシードのオックスも触ってみて下さいね。きっと面白い。

     また、他のオックス生地などで色々が出来ることがあれば、比較実験なんかもしたいものです、はい。



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