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2014.09.22 Monday

型押し革のいろいろについて

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     CIRCLEではオリジナルやル・ボナーさんの製品を始めとして、様々なタイプの皮革製品を扱わせてもらっています。

     そのほとんどでは革の中でもとりわけ発色が綺麗だったり、感触が心地よかったり、あるいは経年変化の度合いが美しかったり……などなど、魅力的な皮革を用いた物が多いと思っています。

     表面が滑らかなスムース革、シボ感が独特なシュリンク革が中心になると、「じゃあ型押し革ってどうなの?」という話になることもしばしば。

     型押し革の善し悪しは賛否両論あるとは思いますけれど、CIRCLEとしては手間と時間をしっかりとかけて加工された型押し革は、また他の皮革にはない魅力を持っていると思っています。

     そんな型押しに、ついてです。

     ペリンガー社のシュランケンカーフ、いわゆるシュリンク革のご案内をする際によく話に出るのは、「シュランケンカーフは型押しなどを併用せず、純粋に薬品できっちりとシュリンク(縮ませる)させているのが魅力の一つ」ということ。

     しっかりとぎゅぎゅっと薬品で革を圧縮するかのように縮ませる訳なので、革の密度はぎゅっと高くなり、しっかりとした厚みを持ちながらしなやかでもっちりとした革になる。それは多くの革がお好きな方々は、やはり実際に感じて頂いていることかもしれません。

     対して、型押しというのは革を縮ませるということではなく、革の表面にぐぐっと熱と圧力で柄を刻印するようなもの。見た目は型押しの型によって様々ですが、シュリンク革のように見えるものもあります。



     革に型押しのするのは、より革を良くするためのプラスの理由が勿論あります。それは、シュリンクと近いけれど微妙に異なる部分も。

     まず型押しをすることで、革表面に対する傷がつきにくく、目立ちづらくなること。

     傷が目立たないのは柄が入るので当然のことと思いますが、そもそも傷がつきにくくもなります。革の丈夫な銀面に、簡単には取れないしっかりとした型を刻印するには、相応の熱と圧力を必要とします。
     そのおかげで革のやはりぐっと引き締まり、全体的に硬く強くなるわけです。

     それは、基本的には傷が大敵である革にとっては、やはり大きなこと。傷のつきにくさ、という意味では表面的にはシュリンク革のそれ以上にもなろうかと思います。



     また、革に魅力的な均一な風合いを与えることも出来ます。

     ムラ感があることも天然の皮革の愉しみではありますが、すっと綺麗に整った状態の皮革も使われる製品や状況によっては、やはり素敵なわけで。

     日常使いで摩擦されてスレることが多かったり、ぶつかることが多いものなどでは、型押し革は最適な選択になろうかと思います。

     ただし均一になるということは、やはりマイナスの意味合いも時には含んでいて、「しっかりと綺麗に型をつくり、押し、そしてさらに手をかけなければ、のっぺりとした表情にもなりうる」ということ。

     型押し革のモノによっては、なんだか魅力を感じない革だなと思うこともあるのは、否めません。言い方は良くありませんけれど、型押し革にもピンキリがどうしてもあるように感じます。



     また、革本来の質感や型押しの相性などによっては、革がかなり硬くなってしまうこともあります。

     しかしながら、しっかりと丁寧な菜飯が施され、ゆっくりと仕上げられる上質な型押し革の場合は、コシがありつつもしなやかさは保っているので、型押し革といってもやはり様々です。



     かつては、フランスのデュ・プイ社の作っていた「チェルケス」という型押し革は、それはもう素敵な型押し革でした。

     ご存知の方も多いやもしれませんが、某メゾンにてヴォーグレネ・クシュヴェールとして使われていて、小物はもとより一部のバッグなどでも使用されていたもの。

     しかしながら、プイ社の経営がうんぬん……なんて言われ始めたころから、急にチェルケスは品質に疑問を感じられるようになり、なかなか良い型押し革とは感じられなくなってしまいました。(もちろん、好みはあるとは思うのですけれど)



     それに代わるように日本でも、あるいは世界の大手メゾン達がこぞって愛するようになったのは、シュランケンカーフでおなじみのペリンガー社のなめす「ノブレッサ」と、ワインハイマー社(ワインハイム社)のなめす「ワープロラックス」という2種になろうかと思っています。

     無論、他にも様々な型押し革はありますけれど、ことチェルケスのような表情をしているものを見て行くと、欠かせない2種類。

     いずれも華やかで軽やかな皮革。そういえば、シュリンク革と比べて行くと、型押し革は幾分薄くなることもあり、丈夫なのだけれど軽く出来るという利点が大きくあります。
     またふっくらもちっと、というよりもシュッとキッチリと、という風合いが強いので、平たい面の強さを活かしたいものなどにはやはり優れているもの。



     先に上げた2種に関して言えば、決してスムース革に負けることなく、おだやかな経年変化を愉しむことが出来ますし、シュリンク革にも劣ること無く、丈夫に綺麗に愉しむことが出来ます。

     革に型押し、と言われるとうーんと唸る方もいらっしゃるやもしれませんが、やはり革のなめしや質によって、魅力的にもなると思っています。

     特に、シュランケンカーフと同じペリンガー社のノブレッサは、表面の表情の作り方にも手が込んでいて、発色だけでなく陰影も美しく、CIRCLEとしては良い皮革だなぁと感じます。スレに対する強度も、ワープロラックスよりも幾分強いような。
     (実際に擦り比べてみた際に、そんな具合だったので)



     そんな風に思いながら、ノブレッサカーフの革の色サンプルを眺めていると、妙にそれだけでも愉しい。

     華やかなカラーはシュランケンカーフのような面白みがありますし、それでいて質感はまた異なり。

     日常的にガシガシと使う小物などを、これで製作するときっと軽くて強くて、使いやすいはずだろうなぁ、と。

     というわけで、ノブレッサカーフについては、また今度細かくご案内してみたいと思います、はい。



     皮革は世界中さまざまなものがあるので、機会があるごとに見比べ、触って比べて、出来れば実験して比べて……としてみていますけれど、そういった動きは常に続けて行きたいものです。

     ……って、今回のブログは型押し革について、なのですが。

     「型押し革にも素敵な革はありますよ!」というのが、メイン趣旨かもしれません。

     革をぐにぐにといじりながら、愉しんでいます。



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