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2014.07.23 Wednesday

真鍮(黄銅)について(金属素材について)

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     しばらく製品や入荷のご案内が続いていたので、少し目線を変えてみて、金属について。

     以前に「シルバーについて」「エクセラファスナーについて」なども書いておりますが、今日はモノづくりの金属と言えば欠かせない、「真鍮」について。

     一般的には5円玉に使われていたり、茶筒や様々な雑貨に用いられ、華やかな金のような黄金色の輝きを持ちながら、様々な加工を施されて昔からずっと日常に溶け込んでいる素材。

     CIRCLEはそんな真鍮もとても面白い素材と思っています。金のようではあるけれど、もっと渋い輝きがそこにはあったり、あるいは経年変化がまた愉しめたり……。

     そんな真鍮は、味わい深い金属だと思うのです。

     店頭にあるアンティークの分銅なども、真鍮製。ほどよく淡い輝きとくすんできた色合いなどが、味わいがあっていかにも真鍮らしい。

     ではでは、まずそんな「真鍮」とはなんぞや、というところ。

     様々な情報を参考にはさせて頂いてますが、とっても平たく言うと「銅を主体として亜鉛や一部では鉛や鉄が混ざった合金」です。そこでさらに亜鉛の含有率が20%を超えて30%前後になってくると、いわゆる黄銅(おうどう)と呼ばれる、私たちの身近な状態の金属になります。

     つまり金属的分類で言えば、真鍮は「銅合金の一種」ということになります。胴、と言われるとどうしても赤っぽかったり茶色っぽかったりを想像してしまうので、どこか不思議な感じ。



     銅に亜鉛を混ぜていることで、独特な金色系の輝きが出ることはもちろんのこと、適度な硬さ、強度があり、それでいて柔軟に形を変形させたり、切削がしやすいことから建築からアクセサリー、機械や歯車、もちろん金具として小物に使われることが多い素材。

     特に真鍮は無垢材で用いると、ずっしりとした重厚感があり、また酸化することで表情が時とともに変わって行くことから、革小物やアクセサリーでは好んで使われます。

     Circus of Happinessのブライドルナローベルトのバックルには、やはり真鍮無垢材を用いていますし……



     時計のJOIE INFINIE DESIGNでは、ケースや盤面、鎖として真鍮を用いています。

     ひとくちに真鍮(黄銅)といっても実はさまざまで、先ほどの銅と亜鉛の合金の中で、亜鉛がどれくらい含まれるかによって、色合いや質感も変わってきます。
     もちろん、その後の加工などでさらに表情は変わりますが。

     ざっくりと調べて行くと……

    ・銅:80〜95%、亜鉛:5〜20%:丹胴と呼ばれ、黄銅ではなくかなり銅に近い真鍮の状態。赤みがありつつ色合いが10〜18金にかなり近く、耐食性も高いことから、建築用や一部アクセサリーなどに用いられる

    ・銅:60〜70%、亜鉛:30弱〜40%:この辺りが、いわゆる黄銅と呼ばれ、私たちが目にする機会の多い部分。やはり展延性(柔軟にいろいろな形に変化出来る性質)がとても高く、カメラや時計などのパーツや、押し型、あるいは金属雑貨などに。亜鉛が30%のものは七三黄銅、40%のものは六四黄銅などとも呼ばれます。

    ・銅:60%前後、鉛が数%、鉄も数%、残りが亜鉛:こんな風に色々と混ざってくると、快削黄銅と呼ばれます。その名の通り切削性が高く、非常に加工しやすくなるもの。

    ・黄銅に錫を添加したもの:ネーバル黄銅などと呼ばれ、耐海水性を高めたもの。navalというだけに、海軍黄銅とも呼ばれる。

     ……とまぁ、相変わらずこんな風に色々に分かれ、細かくいくとまたすごい種類に分かれていく真鍮。

     金属ってやっぱり不思議な上に、奥が深すぎますね。ここまでの細かな知識的なことは、一般的には必要ないかもしれません。



     ただ、切削しやすいという真鍮の特性は、やはり便利なもの。こんな風にキレイにサイコロ型に削り出してしまうことも。

     他の金属ももちろん切削は出来ますが、真鍮はすっとキレイに削れているような。断面も美しい。



     真鍮の魅力は、使い込んで行くことで出てくる風合いの変化がやはり大きなもの。

     金のような輝きは徐々にくすんでいき、逆に渋みのある深い金色に育って行きます。

     酸化していくことで部位によっては黒ずんでいくのも、アンティーク感があって素敵なもの。

     また、環境などによっては緑青(りょくしょう)と呼ばれる錆びが出ることもありますが、その錆びも磨けばすぐに取れてくれます。

     緑青(りょくしょう)そのものは、実は金属を保護するような酸化皮膜のようなもので、さらなる金属の酸化による腐食を防ぐために出来るもの。金属的には決して悪いものなわけではないのですけれど、まぁ生活の中では落としてキレイにして使いたいところではありますよね。

     バッグの金具などでは、昔から真鍮はよく使われていました。けれど、最近はそれも少なくなってきたのが現状。

     というのも、風合いの良い真鍮無垢の金具を作ろうとすると、型や制作そのもののコストが高い上、現代ではもっと軽く柔らかな金属にメッキをかける技術が発達したことも重なり、多くが真鍮風メッキものになっていきました。

     もちろん、そのメッキがいけないわけではなく、あくまでも風合いや質感の差の問題。メッキでもとても上手くメッキをかけ、真鍮に遜色ないほどに渋い表情を出せることもあります。



     ちなみに、Circus of Happinessのブライドルショルダーでは、真鍮パーツとメッキパーツのそれぞれを用いています。

     ショルダー部分やベルト部のバックル、大きな丸カンなどは完全に真鍮無垢。

     やはりずしっとした強い風合いが出てきます。



     それに対して、ベルトのパチっと留めるパーツや、ショルダーストラップのレバーカンなどはメッキのものを使っています。

     これは、現代ではもうこの留め具で真鍮製というのが、どう探しても見つからないこと(世界で見て行くとまだこういったパーツで真鍮製というのもあるようですが、なかなか手に入れづらいもの……)、また仮にあってもやはりサイズなどの種類が少なく、デザイン的にスッキリと合うものに出会えないため。

     なので、出来る限りメッキが上手で、本来の真鍮の風合いに近いようにお願いをして、制作しています。真鍮ものに関しては下町界隈の、とっても信頼のおける真鍮金具の方々のところで頼んでいたり。

     様々な革作家さんやブランドさんとお話をする時も、やっぱり真鍮製の良い金具は常に探している状態だったりします。

     もちろん、加工そのものが極端に難しいとかそういうことではないので、型をしっかりとサンドキャスト(砂型)などで起こして、一から制作をしていくことも可能ですが、そうなると通常の金具からは飛び抜けて高価な金具になってしまったりも。難しいものです。



     真鍮無垢が素晴らしくて、メッキがよくない、なんていうことはもちろんありません。それぞれの得意分野があり、それぞれの魅力があり……というだけ。

     ただどうしても、経年変化の様子や金属そのものに触れた時の塊感、あるいは言葉ではなかなか表現がしにくい独特なの無骨な表情。そんなところは、真鍮の持つ強い魅力なのかな、と感じています。

     シルバーや銅、そういった風合いのものに負けない面白みのある素材。

     シルバーは煌びやかでスタイリッシュな中に無骨さがあり、胴は特有の赤みの持つ光沢や職人的な風合いが面白かったり、真鍮は一見無骨さが際立つ中に、さりげなく繊細な光や細かな表情があります。

     そのそれぞれが、異なる面白さ。

     

     と、そういえば、真鍮というよりも銅に関係してくることではありますが、真鍮のように銅の合金はいろいろと身近にあったりします。

     昔から銅像や仏像をはじめ、様々な場面で使われてきた「青銅」は銅と錫の合金ですし、100円玉や50円玉など硬貨に使われているシルバーっぽい「白銅」は銅とニッケルの合金。

     さらに銅にニッケル、そこに亜鉛も混ざってくると「洋白」という合金となり、ニッケルシルバー・ジャーマンシルバーなどと呼ばれ、アクセサリーや食器に用いられるようにも。
     (ジャーマンシルバーについては混同してしまいそうになりますが、純度800のシルバーもジャーマンシルバーと呼ばれます。それはまた、別物です。シルバーについてはこちらのシルバーについて、をご覧下さい)

     真鍮と同様に銅が主体となった金属でも、ものすごい差があるものです。

     そんな中で唯一の渋い金色を放つ真鍮(黄銅)は、銅が元と言われると特に不思議な感じはするのですけれども。



     と、大切な金属素材である真鍮について。

     CIRCLEは特に金属屋さんではありませんし、金属加工や製造の専門家というわけではありませんけれど、せっかく身近でふれあえる素材であり、製品の中に溶け込んだ時に面白い存在感があるのなら、少し細かいことがあっても愉しいかな、というスタンス。

     「いやいや、うちは真鍮には一家言あるのだよ」というブランドさんや、「真鍮ならおまかせよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな風に思える素材というのも、やはり凄いことですよね。

     貴金属、とはまたジャンルは異なりますけれど、そうでない金属にも豊かな愉しみはあるのだと、そう感じます。



     CIRCLE
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