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2014.07.12 Saturday

コットン・チノクロス素材について

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     ついこの間入荷したばかりのWorkers(ワーカーズ)さんのラウンジジャケットや、Circus of Happinessのパンツなど、カジュアルな素材の代表的な一つとして定番の「チノクロス」。

     チノ、と名前としては広く使われ、なんとなくのイメージはありつつも、あまりチノについて近づいて見るようなことは意外と少ないもの。

     と、いうことでせっかく種類の異なるチノが揃ったので、今日はチノクロスについてです。
     

     チノクロスと言うと、ごく一般的な解釈いえば、「やや上品な光沢をもった、綿の綾織りの生地」といったところですが、かつて第一次世界大戦などのころに、アメリカ軍が軍服用に大量に買い付けたものが由来となり、CHINAにちなんでチノと呼ばれたとかなんとか。

     そういう意味では、チノクロスといっても定義は非常に広く、さまざまなチノがあったりします。

     チノクロスは基本的には単糸で編まれる綾織りです。これが縦糸(場合によっては緯糸も)が双糸で編まれることになると、ウエストポイント(通称ウエポン)という異なる名称の生地になるわけですが(光沢感が一層強く、生地のハリも固くなる)、通常はそういったものも含めて、チノとしての認識がされているように思います。



     Workersさんで用いられているのは、いわゆる想像しやすいチノに比べて、やや黄色っぽいカーキの色味が強めのチノ。

     ちなみに「カーキ」はなぜかグリーンっぽい色の総称に使われることも多い訳ですが、色の分類的にはカーキはどちらかと言えばベージュっぽいような土色っぽいような、砂漠の砂のような本来は土ぼこりを意味するもの。

     なので、Workersさんのチノではカーキという名称もついているわけですね。

     それに対して、Circus of Happinessで用いているチノは、色こそよく一般的なチノっぽいベージュではあるのですが、織りや糸などの関係で妙に陰影があって濃く見えるチノ。

     いずれも、呼び名としては定番的な素材のチノであるには違いありませんが、やはり生地というのは面白いもので、全く違う印象になるのです。



     Workersさんのチノは、右綾織り。生地の光沢もやや強めでふっくらしています。

     生地の繊維の流れが右上に流れるように縦糸が見える織りです。これはチノといってもウエポン素材と言って良いかと思います。

     こうすると生地上ではがっしりとした雰囲気が強くなり、コシが出やすい風合いになり、光沢感も滑らかに出ます。

     表面上はややしっとりした雰囲気になり、肉厚さと綺麗さが特徴的な生地。



     うん、ものすごい分かりにくい角度でアップを撮ってしまって、すみません……。

     こう縦向きの糸に注目して頂くと、右斜めに綺麗にすすーっとラインが上がって行くのが分かると思います。



     色々なアップを見て頂ければと思いますが、基本的には目が滑らかに流れているのが見えるかと思います。



     ウエポンはとても良質なチノ生地ですし、光沢感や色も良いものが多く、Workersさんのものも良い風合い。

     しなやかな肉厚感、といった生地になり、それがある意味でのウエポンの特徴。



     そしてこちらはCircus of Happinessのチノパン。

     Circus of Happinessで用いているチノは、Workersさんのものとはまた異なり、ウエポンではなく、単糸のチノ生地。

     肉厚感や表面の滑らかさはまるで異なり、どちらかといえばザラリとバリっとした印象のチノ。

     これは、ウエポンかどうかというよりも、このチノ素材の独特な特徴によるもの。



     Circus of Happinessのチノは、左綾です。左綾そのものはチノとしては本来定番的なものではあるのですが、その密度がやたらと高いもの。

     番手の高めの糸を使用しながら、ものすごく強く糸を撚り、通常のチノ生地よりも打ち込みを非常に多くしているもの。

     糸を双糸にして織り上げるウエポンとは、また異なる方法で手を込めて、独特なザラツキとがっしりとした生地感を出したもの。



     また、糸そのものをデニムのように短繊維のムラ糸を用いて織り上げることで、より生地の陰影やランダムにラフな風合いを出すように作られています。

     短繊維の綿を用いて、単糸を通常よりも大幅な強撚にするのは、それはそれでかなり大変なことなようで、糸を双糸にするのとは、また違う意味での難しさだそうです。

     つうじょうの チノクロスとはまるで異なる密度とハリ、そして陰影の強い豊かな質感。それがこちらのチノクロスの特徴。

     アップで見ると、ところどころで太さが微妙に違って見えたり、綾そのもののウネリが強く見えると思います。

     こういうチノも、やっぱり生地名称でいくといわゆるチノ、になります。



     チノと一口にいっても、シンプルにさっと織り上げるものもあれば、Workersさんの生地のように糸を双糸にして綾向きを変えて織り上げたり、あるいはCircus of Happinessのように糸そのものの撚りと打ち込みを極端に強くし、ムラ感を出して織り上げたり、あるいは縦糸だけを双糸にしたり、もしくは単糸だけれど綾だけを右綾にしたり……。

     様々なバージョン、綾織りになってもチノクロスはチノクロス、というくくりになるようです。

     そして、それぞれの生地によって特徴は勿論異なれど、どこか共通しているように感じるのが、新品の状態と洗いをかけた状態での変化。



     多くのチノクロスは生地の段階で防縮加工か、それに相当するような状態になっています。

     水洗いをしても生機デニムのように極端にサイズが縮むことはありません。

     その代わり、しっかりと織られたチノクロスはいずれの織り方にせよ、始めはがっしりとしたある意味での「固さ」があり、がほっとした風合いがつきもの。ある意味では、洗う前の状態では体への馴染みはそれほど良くないような。



     それが、ワンウォッシュが加わると、生地のしなやかさが変わり、急に生地の馴染みが良くなります。

     ストンと生地感が落ち着き、幾分かろやかにさらっと生地が肌に近づくようになります。

     これは、Workersさんのようなタイプでも、あるいはCircus of happinessのようなタイプでも、同様のこと。

     やはり元々は軍モノからきていることもあり、チノクロスは着て洗って、そうして風合いが体に馴染んでなんぼ、のものということだと思います。

     そしてほどよく皺感が生まれたり、あるいは縫い目との兼ね合いでパッカリング(吊りあがるように生地にデコボコがでる)が起こったりすることで、またそのチノクロスは表情が増し、面白くなっていく。

     チノクロスにも様々ですのでそこまで雄弁ではないチノも勿論多いですが、少なくともCIRCLEが好きでこれは良いなぁと感じるチノクロスはそういったものばかり。



     そういえば、チノといえばやはりベージュっぽい色、というイメージがあることも多いようですが、特に色によって「チノじゃない」とかそういうことは勿論ありません。

     Worekrsさんのネイビーのチノは、かなり濃紺で良い表情。

     あくまでのチノクロスというのは、綿の綾織りものの一種の総称のようなものですので、そこに色の違いは関係ないのです。
     (リアルにチノとして軍モノを調達、ないしは制作していた際には、勿論そういう意味で軍に適した色でなければならないわけなので、カーキベージュ系が多く、その印象が強くなるのは当然のことですけれど)



     と、いう具合に、デニムなどの綾織りとはまた違う、幅の広い面白みがあるチノクロス。

     ジャケットでもパンツでも、ほどよくラフな風合いがありながらも、どこか上品さも備えている愉しい素材です。

     是非、ガシガシと着て、洗って……という着込む過程と、その変化を愉しんで頂ければと思います。



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